徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 中国少年児童隊・中国少年先鋒隊バッジ

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中国の少年少女が首に巻いている赤いネッカチーフ。中国に行けば必ず目にする姿で、あれは少年先鋒隊のシンボルである。課外活動などを通じて共産主義を学ばせ、将来の共産主義青年団員や共産党員を育成するために設置された組織である。
いまや共産主義のニオイなど皆無の中国で、本来の目的と現実社会との乖離はますます激しく、ほとんどフィクションの世界だ。「革命の伝統を引き継ぐ」として、少年先鋒隊は全国規模で今も継続している。革命の伝統もヘッタクレもないような・・・。

もちろん本家ソ連のピオネールに倣った少年組織だが、ソ連東欧ではとうになくなっても中国や北朝鮮では今も健在だ。
この中国少年先鋒隊は、元は中国少年児童隊といった。
1949年の新中国建国とともに中国少年児童隊は発足し、1953年から少年先鋒隊に改称、文革期は紅衛兵運動の影響で紅小兵と変わり、1978年からは再び少年先鋒隊に戻って現在に至っている。

画像はその中国少年児童隊と、少年先鋒隊のバッジである。デザインはまったく同じ。
少年先鋒隊バッジは多いが、少年児童隊バッジはあまり見かけない気がするがどうなのだろう。なお、1950年代後半の文字改革前なので、旧字体が用いられている。少年先鋒隊は、略して少先隊といわれ、このバッジでも略称で書かれている。
以前紹介した国共内戦期の南下工作団のバッジも、「五角星にたいまつ」で、これらのバッジのデザインに酷似している。

文革期にできた紅小兵(紅衛兵の小学生版)のバッジもあるにはあるが、むしろ腕章の方が普通。胸には毛沢東バッジをつけ、腕に赤い紅小兵腕章、というスタイルが一般的であったようだ。