共産主義政党であることを辞めて開発独裁政党となった中国共産党。おかげで、「必勝無敗の」「永遠に輝きを放つ」とさんざん喧伝されていたはずの毛沢東思想もすっかりどこへやら。まあ、世の中ってのはえてしてそんなもの。去る者は日々に疎し。生きているニンゲンは、忙しくて過去になどいちいちこだわっていられないのである。
今からちょうど36年前の1976年9月9日、毛沢東が死去した。最近の中国ニュースを聞くにつけ、毛沢東時代もすっかり遠くなったと感じることが多いが、まだ36年しか経っていないのである。かつての紅衛兵たちも、天安門広場で毛主席語録を打ち振った記憶はまだまだ鮮明なはずだ。
文革期、毛主席語録とともに、一世を風靡したといっていいアイテムが、毛沢東バッジである。毛沢東バッジについてはこのブログでも何度も何度も登場したのでもう繰り返さないが、今日は毛バッジの最後を飾る一品を紹介しよう。
なんのヘンテツもない、彩色もない小型のアルミ製毛沢東バッジ。ごく地味な存在だが、裏面を見ると初めて正体がわかる。
「偉大的領袖話導師 毛主席永垂不朽 1976.9.9.」。
毛沢東逝去の記念として作られたバッジである。銀一色の地味なツクリが、喪章とともに用いられるにはふさわしいであろう。赤や金で彩られたバッジは、やはり適さない気がする。
「偉大的領袖話導師 毛主席永垂不朽 1976.9.9.」。
毛沢東逝去の記念として作られたバッジである。銀一色の地味なツクリが、喪章とともに用いられるにはふさわしいであろう。赤や金で彩られたバッジは、やはり適さない気がする。
毛沢東バッジの流行は、1969年頃をピークに、特に1971年の林彪事件以後は下火になっていった。70年以降はほとんど作られていないのである。「偉大な指導者」の死に、バッジ制作者もなにかしなくてはいられなかったのか。このバッジは文革期における「最後の毛バッジ」である。
けっこう数は作られたようだが、毛沢東バッジコレクターにとっては、ぜひ揃えておきたい一品といえる。
けっこう数は作られたようだが、毛沢東バッジコレクターにとっては、ぜひ揃えておきたい一品といえる。