ミキモト真珠島のついでにこれも紹介しよう。
日本では勤め人の多くが、組織人であることの証に社員章をつけている。街角で、通勤電車の中で、私はしばしばそれら社員章を観察している。あんなダサイのじゃやだなあとか、なかなかカッコイイななどと評価しながら。
これまで見た中でこれはイイ・・・と思ったのが、銀座ミキモト本店で従業員がつけていた社員章であった。さすがは宝飾店だと感心したものだ。欲しかったが売り物じゃないので買うわけにもいかない。ところが、何年か前に偶然入手することができた。それもほとんどタダ同然の値で。
それが画像のバッジである。
それが画像のバッジである。
見た瞬間から、あっミキモトバッジだ!とわかったが、正式なモノかどうかやや疑問も残った。しかし、よくよく観察すると本体裏面には2桁のシリアルナンバーが刻印され、さらに裏足にはごく小さな「貝印の中にM」の刻印が見えた。ミキモトのシンボルマークである。このことから、ミキモト自身で製作されたホンモノの社員章と判断している。
周囲は波模様、内側にはアコヤガイが描かれ、貝の中央に小さいながらホンモノの真珠が取り付けられている。まさに真珠のミキモトとしてふさわしいデザインであろう。繊細な透かし彫りで作られていて、表面からは見えないように、外周の裏面に補強用の細い線がロウ付けされている。
薄くなっていはいるものの、金メッキが施されている。
画像では、ボタンホールに入れるための三日月型の裏足が見えているが、透かし彫りのため、実際に服につけると波と貝が服から浮き上がって見える。本体と裏足の接続は、真珠の裏の部分で取り付けられているので、表面からは全く目立たない。
これで全体の直径わずか10mm。これ以上大きくなるとバッジとしては目立ちすぎる。こうしたバッジはさりげなく見えるのがいいので、適度な大きさといえる。
なお、ミキモトマークではアコヤガイの上下の向きは、貝の蝶つがいの側が上(つまり貝の口が開く側が下)になっているのが正しい。
薄くなっていはいるものの、金メッキが施されている。
画像では、ボタンホールに入れるための三日月型の裏足が見えているが、透かし彫りのため、実際に服につけると波と貝が服から浮き上がって見える。本体と裏足の接続は、真珠の裏の部分で取り付けられているので、表面からは全く目立たない。
これで全体の直径わずか10mm。これ以上大きくなるとバッジとしては目立ちすぎる。こうしたバッジはさりげなく見えるのがいいので、適度な大きさといえる。
なお、ミキモトマークではアコヤガイの上下の向きは、貝の蝶つがいの側が上(つまり貝の口が開く側が下)になっているのが正しい。
よくよく見ると、波や貝は細かく立体的にできていて、実に巧みである。これが平板なツクリだったらおもしろみは全くなくなってしまうだろう。どこかアールヌーボー調である。
私の社員章コレクションの中でも特に傑作だ。宝飾品点ならではのこだわりの一品である。