徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アメリカ ギリシャ文字クラブバッジ「ΣΔΠ」

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年度初めの忙しさといったらなんであろう。振り落とされないようにしがみつき、降りかかる火の粉を払いのけようと格闘していたら、1か月が過ぎてしまった。熊本の被災者に比べたらこれしき、と自分に言い聞かせながらやってきた。やっとゴールデンウイークまでこぎ着けた。
唐突に訪れた平和。今日はいい天気だったなあ。

というわけで久しぶりのブログである。では、最近紹介していなかった分野のモノでも。

アメリカの大学にある学生結社、フラタニティ(fraternity)、あるいはソロリティ(sorority)と言われる組織のバッジだ。クラブ名にギリシャ文字の頭文字がつけられていることが多いため、「ギリシャ文字クラブ」とも呼ばれる。
上流階級の子弟が所属することが多いせいか、バッジも豪華なツクリのモノが多い。

このバッジは、私が持っているこの種のバッジの中でも豪華な雰囲気を漂わせている。
このクラブの名前は、「ΣΔΠ(シグマ・デルタ・パイ)」。
材質は14金。中央のドクロの目玉はアメジストであろうか。周囲には小粒の真珠がはめ込まれ、黒や赤の彩色は七宝仕上げ。2層作りの透かし彫り。
さらに、これに「BΞ」(ベータ・クシー?)という別のバッジを細い金の鎖でつないでいる。実は、こちらの文字が意味するところはよくわからない。

これで、本体の直径はこれで15mmもない。細工の細かさといい、飾りの繊細さといい私が通常目にするバッジとはかなり異質な存在である。胸元につけると、2つのバッジを繋ぐ金の鎖がブラブラと揺れる。バッジというより宝飾品といっていい。小さいけれど、14金の材質のせいで重量感があり、飾りの真珠が高級感を高めている。実に素晴らしいツクリである。

製造年は記されていないが、同類のモノから推測して、20世紀の初めの頃の作だろう。バッジ作りにここまで労力と財力を注ぎ込んだのかと思うと隔世の感がある。
バッジ文化の観点から見れば、21世紀の現代など、100年前から見れば、ひからびた砂漠ではないか。