徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

韓国 2018平昌オリンピックメダル

オリンピックで優勝したとしてもメダル以外にもらえるものはない。賞金なしどころか、出場にかかる必要経費すらすべて自前である(招待国選手は別だが)。
それでも、すべてのスポーツ選手の夢はオリンピックに出ること、そしてそこでメダルを獲得することである(一部のプロスポーツは別、と言っておこう)。いろいろ問題をはらみながら、これだけの権威を維持しているオリンピック組織委員会は、やはりすごいと認めざるを得ない。

さて、お隣の韓国で、冬季オリンピックが先週閉幕した。日本選手も期待以上の活躍を見せ、メディアは大いに盛り上がった。選手にとって、4位と3位の差の大きさは、単に順位が一つ下という以上に致命的な差がある。

冬季オリンピックのメダルは、規定上デザインに縛りのある夏季オリンピックのそれに比べ、かなり斬新なデザインが取り入れられるのが通例となっている。
前回2014年のソチ大会では、メダルの一部がくりぬかれ、透明ポリカーバネートがはめ込まれたメダルが登場した。
その前、2010年のバンクーバー大会では、草加せんべいを思わせる複雑にうねった立体的なメダルであった。しかも1枚1枚メダルの地模様が異なっていて大きな一つの絵の一部を構成しているというところもすごかった。
さらにその前、2008年のトリノ大会では大胆に中央が丸くくりぬかれたドーナツ型・・・
そして、1998年の長野大会ではなんと漆塗りの非常に凝ったツクリのメダルが採用された。

だから私は今回の平昌大会ではどんなメダルが出てくるか・・・と期待していたのだが、予想に反して出てきたのはオーソドックスなメダル。まあこれまでが斬新すぎたような気もするけど。
イメージ 1

  金、銀、銅メダル(いずれも表面)

イメージ 2

  立体的デザインとなっているメダル

メダリストとなった選手たちの中には「重くて肩がこりそう」と言っていた人がいたが、それもそのはず、このところのメダル重量化傾向は今大会も引き継がれており、金メダル586g~銅メダル493gとなっている。この物理的な重さは、選手にとっては感動の手ごたえでもあり、最近のオリンピックではで500gクラスのメダルが続いている中、軽量化を図りにくいだろうと思う。
1つならまだしも、2つ3つと首にかけるのはかなり重いはずである。

メダル全体に斜めに線が入っていて、降りしきる雪がモチーフなのかなと思っていたが、実はこれなかなか凝った作りである。
特徴的なのは側面で、平昌冬季五輪2018をハングル表記した際の子音部分が刻まれている。その文字の形が表面に現れたものなのだ。ここまでデザイン上側面が重視されているというのはちょっと斬新だ。側面の残りのスペースには、英文で文字が彫られている。

表面にはオリンピックマーク、裏面には平昌大会のロゴと競技名がある。確かにパッと見は割とおとなしいメダルではある。

一見普通に見えるリボンにもいろいろ意味が込められている。
公式サイトによれば、
「オリンピックメダルで初めて、韓服に使用される伝統技法の中の“甲糸技法”を使用しました。甲糸布は軽いながらも通気性に優れ半透明で、高級感のある生地です。甲糸布の中に、平昌冬季オリンピックの大会ルックモチーフの中の雪花パターンをハングル子音で構成し、伝統文鎮技法で入れました。平昌冬季オリンピックタイポグラフィーとオリピックのエンブレムを伝統刺繍技法で制作しました」

というわけで、ハングルといい甲糸布のリボンといい、韓国の伝統文化を盛り込んだ作品となっている。
一見なにもなさそうに見えてこの凝りよう。製作側の気合を感じる。

というわけで、次のオリンピックは東京。果たしてどんなメダルが登場するやら。いっそもう型破りなヤツを期待したい。