徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 水泳体力章(体力章検定)

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始まる前はいろいろと懸念材料の多かった平昌オリンピックも、始まってみればそれなりに世間も盛り上がったようで、私も楽しませてもらった。やっぱり日本選手が活躍すると世間の関心も感情移入の度合いも全然違うものだ。

しかし、スポーツの世界で世界平和だの若者の夢などがメインテーマになったのは、ごくごく最近のこと。それまでは、スポーツは、強力な国民国家形成のためのツールにすぎなかった。芸術も同様であったと言えよう。
平昌オリンピックでは北朝鮮選手も参加していたが、彼らの姿はまるで「前時代のスポーツ選手」であって、そのギャップについてつくづく考えさせられたものだ。

さて、このブログでは以前体力章検定で与えられたバッジについて取り上げたことがあった。
繰り返すと、体力章検定は昭和14年に制定された制度で、短距離走長距離走走り幅跳び、手投げ弾投げ、運搬、懸垂の6種について規定の水準をクリアすると、初級、中級、上級の徽章が授与されたのである。

私はそれを書いていた時、水泳についてはないんだなとふと思った。
しかし後になって、ちょっと変なものを発見した。それが画像上の右側、プレート状のものである。
材質はアルミ製で、「水泳 (体力章)」とある。青い横線は水を表現しているのであろう。

調べてみれば、上記の6種を基礎検定として、のちに水泳が特殊検定として追加されたらしい。
基本として、距離泳300m完泳(泳法は不問)が設定され、またこれに代わる項目として、時間泳:10分間、または泳速:2分25秒以内/100mが距離泳に代わる項目として定められた。

しかし、水泳項目が特殊項目に追加されたからと言っても、従来の体力章自体はすでに制定されてしまっている。そこで既存のバッジに組み合わせる別パーツを新設してこの課題をクリアすることにしたわけである。

この「水泳体力章」を体力章の裏側から当ててみると、ちょうどピンを通す突起にはまるようになっていて、うまい具合にフィットする。体力章と水泳体力章を組み合わせたのが、画像下側のバッジである。
これはなかなか良いアイディアではないか。

なお、画像の体力章は上級なので、さらにこの水泳体力章を取り付けた状態が、体力章検定における「最上位形態」ということになろうか。

【既存の関連項目】
体力章 初級、中級、上級