徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

イギリス 労働党バッジ

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先日、スピルバーグ監督のSF映画「宇宙戦争」を観てきた。なにしろ、H.G.ウエルズの超有名古典SF小説が原作である。正直、映画の評判はイマイチのようだが、個人的には「割と原作に忠実にできているな・・・」ということで、それなりにおもしろかった。特に三本足の戦闘メカについては、よく表現できてると思った。ウエルズの作品は色々映画化されているが、どれもイマイチというかハッキリ言って駄作・失敗作が多いように見える(原作負け、というやつか?)。特に、2002年アメリカで映画化された「タイムマシン」はひどくて、いまだに怒りが収まらないほどだ。

「タイムマシン」の原作は、80万年後の人類の末路を描くことで現在社会の矛盾を描いた。なんとそこでは、労働者階級と資本家が別種の生物になってしまっているのである。一読して社会主義的思想が強くにじんでいることは、当時高校生の私にもハッキリ理解できて、ものすごく強い印象を持った。ところが、ハリウッド映画の方はといえば、ただの化け物と闘うヘンテコ映画となっていて、せっかくの特撮も白けるばかり。もう、思想もへったくれもあったもんじゃない。レンタルビデオを借りてみたのだが、映画館で金払ってみなくてよかったと心の底から思ったものだ。駄作中の駄作!と怒りを込めて断言する。

さて、(ああ余談が長い)SF小説の元祖ウエルズ作品には、資本主義社会の進歩への懐疑的な姿勢がうかがえる(特に「タイムマシン」に顕著)。実は、ウエルズはイギリスの社会主義思想文化人団体、「フェビアン協会」のメンバーであった(ほかにも著名人が多数名を連ねた)。フェビアン協会は、イギリスの左派政党、イギリス労働党の基盤団体となっている。

今日のバッジは、社会民主政党のイギリス労働党。ペンとスコップと松明が描かれているようである(知識人と労働者の団結か)。中央には「LIBERTY」の文字。詳しくは分からなかったが、このシンボルはすでに現在では使われていないかもしれない。労働党のサイトを見ても、見つかるのは赤いバラである。

イギリス労働党といえば、社会保障の充実を中心とした施策展開がメインであったが、2001年のアメリカにおけるテロ事件(9.11事件)後は、一貫してアメリカと連携した対テロ戦争の尖兵となっている。
とてもかつての労働党と同じ政党とは思われないほどの変わりようで、さすがに古い党員や支持者の間からも異論が噴出している。さらに、ロンドンにおける爆発テロなど、不安な要素を多数はらみつつ、依然政権党としておさまっている。