徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

イギリス アルスター・ロイヤリストバッジ

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最近、興味深い一連のバッジを入手したので紹介したい。

イギリスの正式名称は、「グレート・ブリテンならびに北アイルランド連合王国」。この「北アイルランド」は、イギリスからの分離を巡って、分離派(共和主義者)と反分離派が流血の戦いを繰り広げてきた。アルスター(Ulster)とは、北部アイルランド地方の名前であり、1921年のアイルランド独立戦争後も、アルスター地方9州のうち6州がイギリスに留まることとなった。これが紛争の火種となり続けたのだ。
アイルランド共和軍IRAは、爆弾テロなどでも有名だが、それと対立するのがこのアルスター・ロイヤリスト(王室主義者)。こちらの過激派も武装組織を持ち、共和派(分離派)の殺害など悲惨なテロ行為をさんざん行ってきたことは忘れてはならない。
アイルランドでは、共和主義者(イギリスからの分離を主張)と王室主義者(ロイヤリスト、イギリスの一員であることを主張)の対立は、過激さこそ一時よりは収まったものの、現在でももちろん解消はされていない。

今日のバッジはそのロイヤリストのバッジ。白地に赤い十字と、その中央に赤い手と、その上に王冠を配しているのが、北アイルランドの旗(もちろん共和主義者はこんな旗は使わない)。それとイギリス国旗を交えた意匠からも、その主張は明らかである。
赤い手はアルスターロイヤリストのシンボルとなっている。ものすごく印象的なシンボルだと思う。