もうひとつ満州モノ。
満州といえば、南満州鉄道株式会社、通称「満鉄」なくしては語れない。鉄道会社といいながらも、鉄道の運営だけをやっていたわけではなく、炭鉱、製鉄、港湾、農業、ホテル経営までその経営範囲は恐ろしく広い。まさに満州経済の中心となった国策会社である。元は日露戦争でロシアから譲渡された東清鉄道で、満鉄なくして満州事変も満州国もありえなかった。
満鉄の先進性は日本国内を凌ぐもので、高速蒸気機関「あじあ号」や当時最高レベルのシンクタンク満鉄調査部が有名だが、そこに勤務する満鉄マンのプライドは非常に高かったそうである。
満鉄モノは、満州モノマニアや鉄道ファンの間で今でも大変人気が高いが、分かる気もするなあ。
この徽章は、黒くつや消し処理された地の上に、金メッキ処理された満鉄マーク(満州のMの字とレール)。服につけて遠目に見ると、金色の満鉄マークだけが浮かび上がるように作られている。