徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 紫綬褒章

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縁のない人にはトコトン縁がないが、春と秋は、国家公共に功績のあった人物に対して、勲章・褒章の授与が行われる。いわゆる春秋叙勲である。秋は11月3日、今日がその日となる。
今年は、俳優の渡哲也が紫綬褒章を受章したそうだ。

勲章と褒章は厳密には別物なので、褒賞を授与された有名人が「勲章をもらった」などと言っているのをテレビで聞いたことがあるが、これは誤りである。まあ別にいいけど。
ところで、平成15年、栄典制度に改正があったのをご存じだろうか。今まで8階級あった勲章を6階級にして、さらに「勲○等」と階級を数字で表すのをやめた。人の功績を数字で表して上下をつけるのはおかしい、という議論によるようだが、それならば全ての勲章は単一階級にすべきではないかと思いもするし、そもそも勲章ってのはそういうもんじゃないかという気もする。

さて、褒章も現在はデザインが変わってしまったが、これは従来のもの。昭和35年に授与された、紫綬褒章。褒章は綬(リボン)の色でその種類をあらわすが、紫綬は科学、学術、スポーツ、芸術などに功績のあった人に授与される。紅綬褒章緑綬褒章黄綬褒章紫綬褒章及び藍綬褒章の5種類があるが、異なるのは綬の色だけで、メダル本体は全く同じだ。周囲を桜花が囲み、中央には篆書体で「褒章」の2文字。上の飾板には、授与年月日が刻印されている。

褒章の実物を、見たことがある人は分かると思うが、授与されれば新聞には載るし国家から授かる名誉なことではあるが、モノ自体は「これがそうなの?」と思うほど、はっきり言ってチープだ。
下位の勲章もそうだが、もう少し何とかならないものか・・・と思う。まあこのような栄典制度には弊害も指摘されるところで、批判も絶えない。が、どうせやるなら、もっと魅力的なモノを作ればいいのになあと思わずにはおれない。
それがためか、褒章も勲章(一部のレアなものやハイクラスのものを除く)も、蚤の市で安価で売買されているのが現実である。もらうのはそれなりに大変なのになあ。