秋がだんだん深まってくると、もうすぐ秋の叙勲シーズン。新聞(特に地方欄)では必ずといっていいほど、受賞者一覧表や、受賞者のインタビュー記事が載っていたりする。
ところで、日本の勲章制度は平成15年に大きく変更された(下記リンク「平成15年の栄典制度改革」について記事で取り上げたことがあるので参照されたい)。
「わかりやすい勲章制度」を目指したこの改革の結果、それまで8階級あったものを6階級に減じた。勲七等、八等の勲章は廃止されたのである。
もともとの発行数が少ない宝冠章や、希少な明治期のモノを別として、旭日章、瑞宝章では七等八等の数がべらぼうに多く、ノミの市でも行けばほとんど雑品扱い。当然値段も非常に安い。
「わかりやすい勲章制度」を目指したこの改革の結果、それまで8階級あったものを6階級に減じた。勲七等、八等の勲章は廃止されたのである。
もともとの発行数が少ない宝冠章や、希少な明治期のモノを別として、旭日章、瑞宝章では七等八等の数がべらぼうに多く、ノミの市でも行けばほとんど雑品扱い。当然値段も非常に安い。
わが国を代表する勲章でありながら、旭日章は仕組みが少し複雑で、正式名称にもわかりにくさが現れている(平成15年改正以前)。
八等は「勲八等白色桐葉章」、
七等は「勲七等青色桐葉章」。
七等は「勲七等青色桐葉章」。
さらにこの上はどうなっているかというと、
六等「勲六等単光旭日章」、
五等「勲五等双光旭日章」、
四等「勲四等旭日小綬章」、
三等「勲三等旭日中綬章」、
二等「勲二等旭日重光章」、
一等「勲一等旭日大綬章」。
六等「勲六等単光旭日章」、
五等「勲五等双光旭日章」、
四等「勲四等旭日小綬章」、
三等「勲三等旭日中綬章」、
二等「勲二等旭日重光章」、
一等「勲一等旭日大綬章」。
この正式名称、まったく統一感に欠ける。
七、八等は、「桐葉章」というのが正式名称である。形も名前もまったくその他の旭日章とは別物であるが、あくまで旭日章(旭日勲章)の系列に含まれる。一般に、「勲八等旭日勲章」、「旭八」といえば、「白色桐葉章」を指すのである。
そして、「白色桐葉」「青色桐葉」「単光旭日」「双光旭日」「重光旭日」は、章本体の形状を表しているのに対し、「旭日小綬章」「旭日中綬章」「旭日大綬章」は、リボンの形状を指している。
わかりにくいことこの上ない。
そして、「白色桐葉」「青色桐葉」「単光旭日」「双光旭日」「重光旭日」は、章本体の形状を表しているのに対し、「旭日小綬章」「旭日中綬章」「旭日大綬章」は、リボンの形状を指している。
わかりにくいことこの上ない。
この点、英名表記になるとずっと合理的。賞勲局の公式サイトによると、現行の旭日章の英名は次のとおり。
旭日単光章:The Order of the Rising Sun, Silver Rays
旭日双光章:The Order of the Rising Sun, Gold and Silver Rays
旭日小綬章:The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Rosette
旭日中綬章:The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Neck Ribbon
旭日重光章:The Order of the Rising Sun, Gold and Silver Star
旭日大綬章:Grand Cordon of the Order of the Rising Sun
旭日単光章:The Order of the Rising Sun, Silver Rays
旭日双光章:The Order of the Rising Sun, Gold and Silver Rays
旭日小綬章:The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Rosette
旭日中綬章:The Order of the Rising Sun, Gold Rays with Neck Ribbon
旭日重光章:The Order of the Rising Sun, Gold and Silver Star
旭日大綬章:Grand Cordon of the Order of the Rising Sun
余談が過ぎた。
今日の一枚は、歴史的経緯によって複雑化してしまった旭日章の中で、最近の改正で廃止されてしまった勲七等青色桐葉章。表裏両面に、紫と緑の七宝が施されている。丁寧に研磨された七宝の表面はまるで鏡のように平滑になっている。
改めて見ると、これはこれでいいモノだなとも思えてきた。まったく予備知識なしで初めて見たら、丁寧に作られたきれいなメダルだなあと思うだろう。
でもいかんせん、いかに出来が良かろうと世間には数がありあまりすぎ、残念ながら、もはや勲章といってもアリガタミもなにも感じることができないのであった。
今日の一枚は、歴史的経緯によって複雑化してしまった旭日章の中で、最近の改正で廃止されてしまった勲七等青色桐葉章。表裏両面に、紫と緑の七宝が施されている。丁寧に研磨された七宝の表面はまるで鏡のように平滑になっている。
改めて見ると、これはこれでいいモノだなとも思えてきた。まったく予備知識なしで初めて見たら、丁寧に作られたきれいなメダルだなあと思うだろう。
でもいかんせん、いかに出来が良かろうと世間には数がありあまりすぎ、残念ながら、もはや勲章といってもアリガタミもなにも感じることができないのであった。