徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 黄綬褒章

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今年の褒章受章者の発表は、例年なら4月中旬のところ、大震災の影響で約2か月遅れで行われた。今回の発表では、私の仕事関係の知人も黄綬褒章を受章することとなり、天皇陛下に拝謁してきたのだそうだ。新聞の地方欄でも掲載されており、70過ぎの高齢者にとって晴れがましいことであったに違いない。

というわけで、今日の一枚は「黄綬褒章」。

黄綬褒章は、明治20年の「黄綬褒章臨時制定ノ件」(勅令第16号)では、「私財ヲ献納シ防海ノ事業ヲ賛成スルモノニ授与スル」とされていたのが、昭和22年には廃止。昭和30年の制度改正により、「業務に精励し衆民の模範たるべき者」と対象が大きく変更され現在に至っている。
他の褒章では、戦前戦後で授与対象者などに微妙な変化があっても、基本的な性格は維持しているのに対し、黄綬褒章では全く似ても似つかないモノになってしまっている。もともと黄綬褒章の対象者が、「海防事業への私財献納」とかなり特殊であり、授与数自体が相当少なかったせいでもあろう。もっとも、どうして色の綬(リボン)を黄色以外の全く別の色にしなかったのかはナゾである。

平成15年に褒章は大きくデザインの変更が行われており、画像は変更前のモノ。
「昭和五十年四月九日」と右から左に書かれているのは昔のスタイルを踏襲したせいか。もっとも字体はゴシック体の機械彫りとなっており、その点がもっと古い時代のモノと違う。以前紹介した「紫綬褒章」は昭和35年のモノだったが、年月日は手彫りで、かつ書かれている部分がもっと細い。
このように、褒章も時代によって微妙に作りが変化していることがわかる。
ただし、裏面の授与者名は、いずれも手彫りである。

この黄綬褒章はたまたまついでで手に入ったモノで、各種褒章自体はリボンの色の他、全く変化がないのでいまいち集め甲斐がないのである。

【関連の既出項目】
紫綬褒章