徽章はバッジにしてピン

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日本 大日本農会紅白綬有功章

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文化の秋は叙勲を始め、各種表彰行事が盛んに行われる季節でもある。
そのせいかどうか、当ブログのアクセス分析を見ると、その関係のページのアクセス数が急上昇しているのがよくわかる。その一端なのか、なぜか2009年10月に書いた「大日本農会緑白綬有功章」の記事へのアクセスが、ここに来て増えている。
うーん、こんなものを書いた時には誰が見るのかと思っていたものだが、意外な記事に需要があるものだと感じ入った次第だ。

まず大日本農会について説明しよう。
大日本農会は、明治14年に設立された全国的な農業団体で、皇族を総裁に、「農業の発展及び農村の振興を図ることを目的に」活動している。その活動の重要な地位を占めるのが、表彰事業である。
「農事改良の奨励または実行上功績顕著な者,農業上の有益な発見または研究を行い功績顕著な者」がその対象である。
表彰は総裁から行われ、歴史ある功労章なので、農業関係者にとっては一種勲章に近い権威のものと認識されている。

先ほど公式サイトを見に行ったら、前総裁であった「桂宮宜仁親王薨去」(6月8日)に伴い、この10月から新総裁は秋篠宮文仁親王が就任したそうだ。あのヒゲの殿下である。
正直、桂宮殿下といっても正直ピンと来る人は少ないわけで、遙かに有名な皇族の就任である。

さてまあせっかく需要があるなら供給しよう、というわけで、今回は同じく大日本農会の「紅白綬有功章」を紹介する。
公式サイトには、最新で平成25年の「農事功績表彰者」が掲載されているのでそれを見ると、この年は全部で62名の受章者がいた。

このうち53名、実に85%以上が先に紹介した「緑白綬有功章」である。受章者は農業生産者がほとんどである。次に多いのが「紫白綬有功章」で7名(11%)、最も少ないのが「紅白綬有功章」、わずか2名(3%)だけである。

この緑白、紫白、紅白のそれぞれの違いだが、受章者一覧を見ていると、緑白→農業者、紅白→大日本農会関係者、紫白→緑白・紅白双方の上位版のようだ。したがって、紅白綬よりも紫白綬の方が位は上だが、農業者の数が多いので、農会関係者のみを対象とする紅白綬が最も受章者は少なくなってしまうのだろう。

というわけで、レア度からいえば最もレアな(しかし最も上位というわけではない)紅白綬有功章は画像のとおり。まあ褒章の種類と同じく、変わるのはリボンの色だけで、各種集めてもあまりおもしろみはないのだが・・・。

デザインは、交叉した米と麦の穂と、篆書体で中央に「有功章」、上部に「大日本農会と書かれている。文字と縁がキラキラした光沢仕上げになっている。裏面には「贈~殿」と受章者の名前が彫られている。

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