日本で中国人ネットワークを生かして強固なコミュニティを築いてきた在日華僑。祖国の内戦は、その内部に分裂と対立を発生させ、多くの悲劇を生むことになった。
戦後の日本はアメリカに追随する形で当初は台湾側を支援するが、1972年の日中国交正常化後は共産党支配の中華人民共和国を承認。対立する2つの中国と、さらに日本社会のはざまで在日華僑社会が激動の時代を過ごしてきたことを、我々日本人も忘れてはなるまい。
画像のバッジは、中国国民党の神戸支部のバッジである。裏面には3桁のシリアルナンバーが刻印されており、党員章と思われる。ツクリからしておそらくは日本製で、日本でこのような青天白日のバッジが作られていたのかと思うと感慨深い。
「K.M.T.」は、もちろん国民党(KUO MIN TANG)の略である。
私は昔からこの青天白日章のシンボルが好きで、これほどバッジに映えるシンボルはないのではないかと思っているほどだ。青色の七宝は鮮やかに発色するので、それと白のコントラストがいい(逆に赤色の七宝はオレンジがかったり茶色っぽく発色したりするので、鮮やかに赤く発色させるのは難しいようだ)。
「直属支部」という意味は不明ながら、古くから華僑社会があり、孫文も拠点とした神戸には特に強固な党組織があったのだろうか。
現在は、日本に中国国民党の組織なんてあるのか・・・?と調べてみたら、あった(しかし詳しい実態はよくわからない)。
このバッジの製作年はわからないが、おそらく戦後のモノと思われる。