徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

台湾 「従軍記念」中国反共青年救国団 バッジ

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蒋経国の話題がでたついでに、このバッジも紹介しておきたい。

中国国民党というと、中国共産党の仇敵としてとらえるムキも多いと思うが、その実ともに中国の近代化を推進しようとする革命政党であり、意外なほどにソ連の影響を強く受けている。

党の青年組織として作られたのが、国民党では「三民主義青年団(三青団)」であり、共産党では「共産主義青年団共青団)」、ともにソ連の青年組織コムソモールに影響を受けたものということは容易に推測できる。

さて、内戦に敗れて台湾に逃れた国民党は、1952年、新たな青年組織「中国反共青年救国団」を創設する。この初代主任となったのが蒋経国であった。青年や教育を掌握した蒋経国は、のち国防部長、そして行政院長に就任していく。
蒋経国はモスクワに留学しており、ソ連共産党にも入党した経験を持つ。この経験はきっと青年団創設に大きく力を発揮しただろう。

ところで、台湾の中華週報によれば、2000年、時勢に合わないという理由で、この組織の名称から「反共」の2字が取れ、「中国青年救国団」と改称された。また、「名称のほかに団歌に歌われる「革命青年」や「反侵略、反残虐」をそれぞれ「情熱あふれる青年」や「理想のある、目標のある」という表現に変更することなどが決まった。」のだそうだ。
てことは曲自体は変わっていないのだな。しかし、元の歌詞はすごいなあ。

このバッジはおそらく50年代始め頃のものだろう。裏面に「中国青年反共救国団総団部贈」とある。台湾は徴兵制があるし、団員が軍に参加した記念と思われる。
赤3本線に青天白日章は、救国団のシンボル。
パッと見、バッジの雰囲気は大陸時代のものそのままで、裏面の刻印を見るまではてっきり大陸製の古いバッジかと思っていたが、明らかにこれは台湾製である。