集団旅行では、参加者はバッジを胸につける。以前、はとバスに乗ったときやはりバッジを配られた。これが引率者にとって目印になるわけだ。
さて、画像は戦前の観光団のバッジ。垂れ下がったリボンに、「東海商工会議所連合会 主催 中国旅行団」とある。上の部分には日中の国旗と、船が描かれている。透明の部分には、おそらく参加者が氏名を書いて入れるのだろう。
さて、このバッジには大きな間違いがあって、何かといえばこの旗だ。見てのとおり「日章旗」と「青天白日旗」が組み合わされているが、この青天白日旗は中国国民党の党旗であって、中国(中華民国)の国旗ではない。中華民国の国旗は、赤旗に青天白日章をカントンに入れた「青天白日満地紅旗」である。
なぜ日本国旗と中国国民党の党旗を組み合わせたのか。
このような基本的なことを制作者が勘違いしていたとは考えにくい。デザインのバランスを配慮したのかもしれない。つまり、赤い太陽の国旗と白い太陽の国旗という対照性を重視したのではないかと思う。
もっとも、そのような理由で旗を変更してしまうのがアリかどうか。問題がある気もするなあ・・・