いかにも朴訥そのもののモンゴル青年兵士。
頭の頂点がとんがった分厚いウール製の帽子は、ソ連赤軍の軍帽ブジョノフカにそっくりだ。でっかい布製の赤星の中央に帽章がつく。帝政ロシアの兜を模したデザインといわれる。でも、この帽子についてる毛皮はモンゴル仕様なのか?(笑)
おそらく30年代に撮影されたものと思われるが、胸の勲章に注目。質素なウールの軍服に、アンバランスなぐらいデカくてごつい勲章が目を引く。
これ、おそらく1931年に制定された軍事勇敢赤旗勲章と思われる。
いやあ、これすごいですよ!もし市場に出回ったら、国際相場では80~100万円くらいはするシロモノだ。
よく見ると、この人、勲章の周りに花びら状にリボン飾りを付けている。この付け方は、かつてソ連の赤旗勲章などでも行われていたやり方だ。モンゴルにもこの方法が伝播していたのか(もっとも、この時代のモンゴル勲章はすべてソ連製なので、つけ方も共通していたとしても全然不思議ではない)。
モンゴルにおいても、革命で功績を挙げた多くの軍人が、政治動乱の中で粛正の憂き目にあった。
彼は、果して無事に天寿を全うすることができたのだろうか。