徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アメリカ レッドメン結社バッジ

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以前、キワニス・インターナショナルやフリーメーソン系のバッジ・メダルを紹介したことがあるが、実は今回のものその一種。
私には不思議に思えるのだが、アメリカには実に多様な結社的組織がある。Fratrenal association というか、つまり友愛団体なのだが、とても興味深い存在だ。世界最強国・アメリカのもつ不思議な一面だ。
(・・・えー、目下勉強中なのであんまり詳しいことは言えないのだが)

さて、今日のバッジを見てほしい。
鮮やかな羽根飾りを頭に付けた精悍なネイティブアメリカン(インディアン)のバッジ。アメリカの結社、レッドメンのバッジだ。
正確に言うと、この組織の名前は"Improved Order of Red Men"。ネイティブアメリカン進歩団体、という感じだろうか。バッジの下部にも小さく"IMPORM"の文字が見える("Improved Order of Red Men"の略)。
レッドメン(またはレッドマン)は、ネイティブアメリカンの別称であるほかに、この組織のメンバーという意味もある。

もちろんネイティブアメリカンだけが入る組織ではない。名称からわかるように、もともとはネイティブアメリカン生活向上のために結成された慈善団体という性格もあるようだが、それよりも愛国団体という色彩が強いようにみえる。
バッジの背景に描かれる星条旗がその主張を明らかにしている。

公式サイト(http://www.redmen.org/main.htm)の説明によると、起源はアメリカ独立戦争前にさかのぼる愛国的結社だという。最も古いアメリカの友愛団体だそうだ。
もちろん現在も存在する組織で、FreedomとFriendshipとCharityがモットーとされる。

古いメンバーには、ジョージ・ワシントン 、サミュエル・アダムス、トーマス・ジェファーソン 、ジョンハンコック 、セオドア・ルーズベルト 、フランクリン D. ルーズベルト等のビッグネームが連なっている。

アメリカ独立を支える一組織のシンボルがレッドマン、すなわちネイティブアメリカンで、それにヨーロッパから渡った白人たちが参加したというのは、なんとも面白い話ではある。
もっとも、実際のネイティブアメリカン自体はというと、イタリア移民よりもアジア系移民よりも黒人よりも被差別的立場におかれてきたのは周知のこと。
私としては、どうしてもこの矛盾が無視できなくて、どうも戸惑ってしまうのだが、これもアメリカの一面である。