徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

アメリカ ピティアスの騎士バッジ

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これもアメリカの秘密結社バッジ。繰り返すが、秘密結社といっても反社会的犯罪組織などではないのでお間違えなく。

「The Knights of Pythias(ピティアスの騎士)」。
オッド・フェローズやフリーメーソンがヨーロッパに起源を持つのに対し、こちらは純アメリカ産の結社らしい。
「ピティアスってなんじゃい」と思うわけだが、古代ローマの伝説で、日本では太宰治の「走れメロス」で知られる有名なストーリー。
ピティアスがシラキウスのディオニソス王への陰謀を企てているとの罰で死刑を宣告される。しばしの暇を乞うピティアスのため、親友デーモンはピティアスの身代わりを申し出る。その間ピティアスは用事を済ませ、死刑を受けるために王の元に戻ってくる。しかし王はふたりの友情に心打たれ死刑を免ずる。めでたしめでたし・・・という話。

1864年、この話を元にした演劇を入社儀式として、結社好きのラスボーンなる男が創設したのが「ピティアスの騎士」であるらしい。入社式の演劇的要素という特徴はあるが、実質的には会員の病気や死亡に対して払われる保険制度を有していた。一種の互助会組織である。

まあ単なる互助会でなくて、そこに不思議な儀式を持ち込むあたりが秘密結社の秘密結社たるところ。
かつては、ルーズベルト大統領も会員となっていたという有力な結社のひとつであった。

ピティアスの騎士のバッジはいろんな種類があるのだが、画像のバッジは小さいながら14金にエナメル仕上げでなかなかきれいなバッジである。ちょっとつけてみてもいいかな、と思うくらい。

ところで、この結社の正装もなかなかすごい。すっかり古代ローマの兵士のような軍装姿。写真を見たことがあるが、なんとも不思議な・・・ますますただの互助会とは思えないのであった。おもしろすぎる。