徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 教誨師徽章

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知人の父親が刑務所の教誨師をしていると聞いた。彼の家は真言宗のお寺である。ところが、きけば「教誨師のバッジ」があるらしく、つい興味をそそられた。
で、ぜひ画像を見たいと要望したところ、メールで送ってきてくれたものがこれ。
うーむ、珍しいところに珍しいバッジが息づいているものだなあ、と変に感心してしまった。

エンジ色のザブトン付きの金色の五三桐紋。エンジ色のザブトンは衆議院議員徽章を想起させるし、五三桐紋は国家の権威を暗示させる。
さらに裏面にはちゃんとシリアルナンバーまで刻印されている。なかなか権威のあるバッジのようである。
でもこれ、パッと見何のバッジだか全然わかりませんね・・・

ところで、教誨師といっても、私には映画とかで見る受刑者の懺悔を聞いたり説法を行ったりするアレだよなあ、というくらいのイメージしかない。考えてみれば「教誨」等という語自体がものすごく非日常的だ。

調べてみると、法務局の矯正局のサイトに、
教誨師
 矯正施設の被収容者の希望に応じて,民間の篤志宗教家である教誨師が宗教教誨を行い, 信教の自由を保障しつつ精神的安定を与え,受刑者や少年院在院者等の改善更生と社会復帰に寄与しています。
 宗教教誨には,同じ宗教宗派の宗教教誨を希望する者を集めて行う集合教誨と, 個別に行う個人教誨とがあります。」
という説明があった。民間篤志宗教家、とあることからわかるとおり、身分はあくまでボランティアのようである。もっとも、日本では公官庁が特定の宗教や宗教家に公金を支出することはありえない(はずである)。
ボランティアに頼らざるを得ないのは、そういう背景もあるのだろう。別にケチしているわけではなくて。

画像を送ってくれた知人によると、教誨師は刑務所の刑務官から「先生」と呼ばれ、それなりに敬意を払われる立場のようである。
ただしバッジ購入は自腹で、約1,500円也とのこと。
ボランティアなんだからそのくらい支給してもよさそうなものだという気もするなあ。素朴な感想として。

何はともあれ、珍しいバッジを見られてうれしい私であった。