徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本赤十字 1,2,3等篤志表章

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赤十字関係には歴史があるだけに、関連のバッジやメダルの類も非常に多い。
その中からユニークなモノを紹介しよう。

1,2,3等揃いの篤志表章である。「篤志表章」というのがよくわからないのだが、字面からして要は支援者を表彰するモノなのだろうというくらいに理解しておく。

小さいながら凝ったツクリである。3つのパーツをつなげて作ってある。上部はピンの部分、本体中央は赤十字、そしてそれを取りまくのが竹の輪である。輪でつなげてあるだけなので、それぞれがぶらぶら揺れて精緻で華奢な印象を受ける。同じようなデザインであっても、これが一体成型で作られていたら全然おもしろくないバッジだったろうと思う。

用いられているシンボルは、竹、桐、鳳凰である。
これは、日本赤十字社の社章に由来するデザインである。日本赤十字社設立の報告を受けたとき、昭憲皇太后が出したアイデアによるという。鳳凰は、桐の林に住み竹の実を食べるという伝説に因む。
なるほど、3等は竹だけ、2等は竹と桐、1等になると竹、桐、鳳凰の3つがそろっている。

徽章の世界では、上位の等級になるほど大きくて派手になるという大原則がある。「派手」というのをもう少し具体的にいうと、シンボルの数が増える、色数が増える、華美な色になる、などである。
(前回紹介した大日本蚕糸会有功章では、上位ほどカイコ蛾の頭数が増えている。)

こんな小さなバッジであってもその原則は生きていて、大きさこそ変わらないが、3等は竹の葉の緑のみ、2等はそれに桐の花の青、1等ではさらに金の鳳凰が加わっている。
例え書いてある文字が理解できなくとも、この3個のバッジの上下関係は一目瞭然なのである。