徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 法の華三法行バッジ

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これ、パッと見では何のバッジか見当もつかないが、裏面をよく見るとそこには「天贈 天行力三法行館建立」の文字・・・
今となっては懐かしい気がするが、あの福永法源の「法の華三法行」のバッジである。
紺色のザブトンに、金メッキ、中央には小さな石(ガラス?)をはめ込んだ、遠目にはそれなりに偉そうに見えるが、よく見ると細部のツクリは甘く安っぽいバッジだ。

今後二度と作られることはない、ある意味レアアイテムである。(ただし価値があるかどうかは不明)

「みなさーん、最高ですかー!」
「最高ですかー!」
「最高です、かぁぁ~~!」
福永法源といえば、いまでもあの連呼が耳によみがえる。インパクト満点なので、一度聞いたら忘れることはできない。

よく考えるまでもなく、「最高ですか?」という問いは全く意味不明で、なにについてどのような基準において最高であるということを問いかけているのか。
もっとも、そのようなことを追求することも意味がない。何の根拠もなく「最高です」と強引な回答をさせてしまうところがすでにマインドコントロールの手口なのかも知れない。「頭をとる(修行して悟りを開くこと)」という言葉も頻繁に使った。
カルト全般にいえることだが、教えに対して無批判であることを要求し、ひたすら叩き込むのである。

足裏診断、右脳開発などのギミックを使うあたりは現代的カルトという感じがするが、教義はいかにもとってつけたような感じで、宗教組織を装った確信的詐欺集団というのが実態であろう。
被害者は全国に多数存在し、足裏診断などを通して高額な研修に参加させらた末、さらに高額の掛け軸などを購入させられた。被害の実態は相当悲惨である。
2000年に詐欺罪で逮捕、2005年に懲役12年の判決が下った。

バッジにある「天贈 天行力三法行館建立」の文字は、教団施設の完成記念を意味するのだろうが具体的にどんな施設なのかは不明である。
「天行力(てんぎょうりき)」というのは独特の用語で、「生命の営みそのものをささえる無意識の生命エネルギーであり、人間に起こるすべての現象の根底に流れる無限の宇宙パワー」をいうらしい。
教祖福永法源は、この超能力を操ることができるらしいが、この種の説明の意味を検討するのは全く意味がない。そもそも詐欺用のアイテムに過ぎないのだから。
「天贈」とは、天声を伝える教祖からのプレゼントくらいの意味なのか。

余談だが、私は人前で話すことが苦手で、仕事上の必要で多少マシになってきたとはいえ、やはり明らかにヘタである。
その点、テレビで福永法源の説法の映像を見たときは、信者相手とはいえ実に堂々たるもので、絶対に自分はこの男のように話すことはできない、と思った。率直に言えば、かなわない、スゴイと思った。
満堂の聴衆を自由自在に惹きつけ、時に威嚇して静まりかえらせ、笑いとって大いに沸かせる話術。カリスマというのはこういうことをいうのかと、カルト嫌いの私をして感心させたほどだ。
詐欺師というのは、一種の天与の才能が必要なのかも知れない。
裁判では、被告・福永法源について、再犯の恐れありと指摘されていたが、全く同感である。

この組織による被害が報じられたとき、福永法源の著書を街頭の無料配布でもらったことを、私は思いだした。本のタイトルは覚えていない。病気がどうこうという本だったような気がする。
もちろん、すぐに捨てた。
ゴミ箱には、すでにその本が大量に放り込まれていたのを記憶している。