徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 徳化製毛沢東バッジ(陶製)

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先日、松濤美術館の展覧会に触発されて、景徳鎮製の毛沢東バッジを紹介した。

景徳鎮は海外でももっとも有名で、かつ歴史と正統性のある窯業の地だが、中国にはその他にもたくさんの歴史ある焼き物産地があることを忘れてはならない。

そのひとつが、福建省にある徳化。古くは白磁で名を知られた名窯である。
実は、文化大革命の期間、ここで生産された陶製毛沢東バッジは、毛バッジコレクターの間では名品が多いことで知られている。ここで作られた毛沢東バッジばかりを収集しているコレクターもいるくらいだ。

そのことは私も以前から知っていたが、実物を目にしたのはかなり後になってからだった。
北京の毛沢東バッジを専門に扱っている某所で、何かおもしろいものはないかな・・・と探していた私の目に飛び込んできたのは、実に派手な色彩の陶製バッジだった。

こりゃすごいなぁ・・・と裏面を見てみたら「徳化瓷廠」の文字。
徳化製バッジ!とすぐに気づいて購入したのがこのバッジ。画像ではよくわからないかもしれないが、上に並んだ9つの星や下の赤旗、そして党徽(槌&鎌)は浮き彫りにされていて、さらに金を塗られているので、上にかけられた赤い透明な釉薬を通してキラキラと光を反射する
なんだか、これでもか!というくらいなハデなバッジだ。
しかも直径72mmもある大型バッジである。無数のバッジが並んだ中でも、特に異彩を放つ一品だった。

裏面には、?b>熱烈歓呼'九大'隆重開幕 徳化瓷廠革命委員会贈 一九六九.四.一.廖?br /> 中国共産党第九回大会の開催記念品である。予想どおり、けっこう高い値段だった。

文革毛沢東バッジとしては、末期の作に当たる。この後、毛沢東バッジの流行は急速に衰えていく。
余談だが、この大きさ(大型バッジの登場は末期に集中する)と、9つの星(九回大会を表す)をみれば、ああ九大モノだな、という判断はおおかたついてしまう。

この大きさと重さからして、おそらく実用を期して作られたモノではないだろうと思われる。
もっとも、当時の写真では、10cmを超える大型バッジを首から提げている人、なんてのも稀に見られるのだが・・・

なにはともあれ、以来、徳化製バッジにはなんとなく興味を惹かれている私である。