北朝鮮の核実験を機に、中国と北朝鮮の関係は大きく変わろうとしているように見える。今がまさにその節目になるのかもしれない。
中国の本音は「下手にでりゃあつけあがりやがって、人に恥かかせる気か。どれだけ迷惑かけりゃ気が済むんだコノ。人がせっかく骨折ってやってるに、そのお返しがこの仕打ちか!」であり、北朝鮮の本音は「なにかっつーとでけえ顔しやがって、いちいち干渉するなっつーの。今度はアメリカと手を組んで批判する気かよこの裏切り者が!」である。たぶん。
要するに両方とも互いに不信と不満を抱きつつ、しかしやっぱりそれを表面化させることは互いに利益にならないのでその思いを腹にしまい、いざ出会えばやっぱり「血で固めた友誼」やら「長年の友邦」やらを笑顔で口にしあって、互いの肩を抱き合うのである。相手のホンネは百も承知で。
・・・うーむ、なんという光景であろう。あー疲れる。
中国にとっては北朝鮮はなくてはならない防波堤であるとともに、友邦と呼ぶにはとても困った国でもある。今や覚醒剤密輸や紙幣の偽造などという疑惑も持ち上がっているのだから、北朝鮮に対して悪感情が高まるのも当然だ。
今から55年も前に発生した朝鮮戦争。中国では「抗美援朝」戦争という。建国直後の混乱期にもかかわらず、中国は人民解放軍兵士を人民志願軍として送り込み、アメリカ軍(国連軍)に消滅させられそうになった北朝鮮を守ったのである。中国としては、防波堤を守る戦いであった。
さて、このバッジは、パッと見「中ソ友好会の会員章」かと思った。そのくらいよく似ている。
だが、よく見ると毛沢東と並んでいるはずのスターリンがいないし、なによりも「抗美援朝記念章」と書かれてある。もちろん中ソ友好会員章を模して作られていることは間違いないだろう。
この時代、中国では抗美援朝スローガンバッジは非常に多く作られている。