徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 抗美援朝(朝鮮戦争)記念章

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先日に続き、朝鮮戦争関連のモノを。
実は、中国のバッジコレクターの間では、朝鮮戦争モノはそれ自体ひとつのジャンルとして成り立つくらい色々作られている。

その中でも今日の一枚は、毛沢東バッジに関心を持つ人で、この記念章を知らない人はまずいないと断言できるくらい超有名な記念章である。
「裏面には中国人民政治協商会議全国委員会贈 1951」とある。主に中国人民志願君の兵士達に贈られたものでとても数が多く、そのため有名な記念章となっている。
中央に毛沢東像、それを取り囲む麦穂と「抗美援朝記念(=アメリカに抵抗し、朝鮮を助ける)」の文字。大きな五角星は赤い七宝で彩られ、全体は金メッキが施されている。
綬の部分は、赤に金の飾りの付いた横長のリボンで、上下の金具に通されメダル本体を吊り下げている。陳腐といえば陳腐なデザインとも言えようが、全体に安定感のあるデザインとなっている。

一度にあまり紹介してもおもしろくないので、追々紹介していきたいと思っているが、このメダルが非常に大量に作られ代表的なメダルになったためか、これを模して似たようなメダルがその後作られていくこととなる。そういう意味で、これは現代中国徽章史上(?)、画期的なモノとなった。

このメダルが作られてから、のちに文化大革命が勃発するまで、15年。
その時、毛沢東のバッジは選ばれたものにだけ配られる記念品や表彰品としてではなく、誰もが身につけることのできる政治的な大衆用品と変質したのである。
だが、この抗美援朝記念章は、確立したひとつのパターンとして、「文革期毛バッジ」の形式に大きな影響を与えたのである。

このテーマはまた後で。そのうち書きます。