徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 抗美援朝紀念章 遼西省人民贈(朝鮮戦争バッジ)

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韓国ヨンピョン島への北朝鮮による砲撃事件には驚いた。今のところ、軍事衝突はそれ以上エスカレートしてはいないものの、急速に朝鮮半島における緊張が高まっている。
この事件を朝鮮戦争になぞらえて、北朝鮮が今にも南進を開始するような危機感を煽る「識者」もいるが、どうであろう。もし本気で北朝鮮が戦争を起こすのであれば、敵の中央部すなわちまずソウルの中枢に打撃を加え、先制攻撃によるアドバンテージを最大に活かすはず。現に、1950年に始まった朝鮮戦争はそうだった。まず僻地の漁村を攻撃してから、ゆっくりと全面戦争に打って出るバカはいないのである。

というわけで、いろんな見方はあろうが、今回の事件は軍事的というより政治的な示威行動であったといったほうがよい。
そして今度も出方が注目されているのが、中国だ。
北朝鮮を擁護するのか批難する側にまわるのか、これは難しいバランスゲームである。

1950~53年の朝鮮戦争では、中国軍が事実上参戦し、国連軍と戦った。もっとも、当時の中国ではアメリカによる朝鮮侵略軍との戦いと位置づけられていて、「抗美援朝戦争」と称している。
今日の一枚は、遼西省でつくられた記念バッジである。
朝鮮半島が大きく描かれ、ひとつの朝鮮を表現している。当時の中国は、韓国を認めていなかったのである。右側には北朝鮮国旗と中国国旗が並べられている。
裏面の文字にある「遼西省人民贈」の遼西省という行政区分はすでにない(現在の中国東北部に該当)。

朝鮮戦争関係の中国バッジはたくさんあって、戦争をイメージさせるデザインが多い中、地図を中心に大きく描いたデザインは少しおとなしい印象の一枚である。