徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

北朝鮮 国松長官狙撃事件の遺留品「朝鮮人民軍バッジ」その4

あんまりこのネタを引っ張るつもりもないのだが・・・気になる記事を見つけたのでもう一度だけ。

警察庁長官狙撃事件の現場に残された北朝鮮バッジ、やっぱり北朝鮮ウォッチャーも注目していたようだ。
先週4月1日の夕刊フジ公式サイト「zaksak」に掲載された「北朝鮮見本市」の記事である。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20100401/frn1004011547000-n2.htm

タイトルは、「元長官銃撃事件酷似のバッジ」。

警察庁長官銃撃事件が時効を迎えた。現場には朝鮮人民軍のバッジが落ちていた。一部報道では1958-81年に製造された「人民軍記章」で、捜査当局はオウム真理教の信者がロシアで入手したとみていたらしい。
 だが、コレクター仲間で所持している人はいない。中国の骨董品業者の間で使われる文献にも見当たらなかった。ロシアで簡単に手に入る物とは思えない。
 唯一、中朝国境で見つけたバッジと旗、歯車、稲穂といったデザインや位置関係が似ている。こんなレアアイテムを現場に残した意図は何だったのか-。

まあ、見解の相違といえばそれまでだが、私には事件の遺留品であるあのバッジが、そんなにとびきりのレアものとは、どうしても思えないのである。
さらに、この筆者にとって未知のバッジであるだけでなく、「コレクター仲間で所持している人はいない」というのだが、これはちょっと信じられない
北朝鮮モノは収集のメインでない私ですら、バージョンの異なる同種バッジを3つも持っている(うちふたつは当ブログにて掲載済み)。それも、特に血眼で探し回ったわけではなく、たまたま他のものを探していて見つけただけのついでの収穫品であった。
それに、現に事件後、同じバッジを日本のミリタリーショップで売られていたのを知っている。。高かったし、その時は買う気にもなれなかったが、なーんだけっこうあちこちに流通しているバッジなのだなと思ったものだ。

それと、この記事の趣旨である「酷似のバッジ」だが、これまた数々のバージョンが存在する普通品。ネジ留め式のものから、アルミ製のピンバックタイプまである。何でこんなモノをわざわざ取り上げたのだか、よくわからない。
想像だが、この筆者、あまりバッジ類に詳しくないのかもしれない。
仲間のコレクターのレベルもさほどではないか、あるいはこんなつまらない普通品は集める気にもならないのか、まあどちらかだろう。

この2つのバッジ、まあ確かに全体的な形はよく似ているが、中心に描かれているのは例の遺留品バッジでは赤星と交叉した銃、「酷似バッジ」では白頭山と人民軍(戦闘機、戦車、兵士)と、主題そのものが全く異なる。2つのバッジの関連は、「軍関係」というより他にないのではないか。

むしろ、私がこの記事で私が気になったのは、「中国の骨董品業者の間で使われる文献」とやらだ。いったいどんな本を指すのだろうか。私の未知の資料かも知れない。これはぜひ知りたい。

zakzakの「北朝鮮見本市」記事にはたまにおもしろいものがあるので大体読んでいるが、今回のこの記事はちょっとなあ・・・と思ったものである。

イメージ 1

最後に、記事と同じバッジを掲載しておく。いずれも私のコレクションから。