徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 人類愛善会バッジ

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断言してもいいけど、およそコレクターを自認する者で、「あの時あれを手に入れておけば・・・」とあとになって歯がみした体験を持たない者はいない。絶対にいない。

もちろん私だって一度ならずそういう体験をしてきている。夢にまで見たことがある。本当に。
今度機会があったら絶対に・・・とあとから意気込んでみても、そのような機会は残念ながら滅多に訪れないのである。

まあそこまで大げさでなくても、あとで悔やむことはしばしばある。
ある時、ゴチャゴチャとしたバッジの山の中に、緑色の星のバッジがいくつかあった。
おやエスペラントバッジか?と思って裏面を確認すると、「大本」の文字があった。出口王仁三郎で有名な神道新興宗教団体の、あの大本教だ。
ああ、なんだ大本教関係かと買うのをやめたのだった。宗教関係バッジはあまり関心がないのである。

しかし、その時は気がつかなかったものの、大本教は組織をあげてエスペラントの学習活動を展開している団体で、このバッジはやはりエスペラント関係のものであったのだ。
大本教の実質的教祖の出口王仁三郎は、海外布教のためエスペラントに注目した。1920年代のことである。エスペラントに着目するあたり、時代だなあ。ザメンホフの国際主義、人道主義的な思想にも共鳴したことだろう。
そうと知って、しまった買っておくんだった・・・とエスペラントバッジ大好きの私は大いに後悔したものだ。返す返す残念だ。

ところが、ラッキーなことに、このたびようやく巡り会うことができた。それが今日紹介するバッジである。
裏面には「人類愛善会」という文字がある。古そうなバッジである。
人類愛善会というのは、大本教の慈善団体で、人道主義・平和主義を掲げてさまざまな慈善活動を展開している。この団体は、エスペラントの緑星をシンボルに採用している。

大本教では今も熱心にエスペラント学習活動が行われ、会員は何らかの形で参加しているといわれる。
ザメンホフ先生も予想できなかった展開ではないか。