徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 文化勲章

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あーまたこのシーズンが来たかあ、と思ったのが文化勲章授章者決定のニュース。毎年文化の日に叙勲の式典が催されるが、今年の受章者は瀬戸内寂聴ら5名だそうだ。どういう慣例なのか、毎年5,6名が選ばれている。
まあ今回の発表を見ても、最年少者が溶接工学の荒田吉明大阪大学名誉教授)の82歳だというから、それだけでもなかなか大変なものである。

文化勲章は日本で最も新しく1937年に制定された勲章で、終身年金付きなど他の勲章と比べやや異色な存在である。
アポロ11号の宇宙飛行士3名が訪日の際にも授与されたが、各国がさまざまな勲章を贈ったのに対して、日本ではどうするかかなりの議論が行われたようである(立花隆の「宇宙からの帰還」にも詳しい)。
結局、議論百出の末、単一勲章で等級のない文化勲章を、宮中伝達式を行わずに授与することに落ち着いたのだが、外国人に文化勲章が贈られたのはこれきりである。

デザインは、全体の形は橘の花でその内側に三つ巴の曲玉で、鈕も橘の実と葉の形である。昭和天皇の意向により、常緑樹の橘がデザインされたという。

掲載した画像は、この前大阪の造幣局に行ったとき、勲章の展示コーナーで撮影したもの(私のコレクションじゃありません、断るまでもなく)。

しかしこれ・・・デザイン的には、ほとんど見るべきものがないような気がするがどうでしょうか。全体に明るい色調で、鈕も橘の実と葉の七宝は綺麗だなあとは思うものの、5角形の花型と曲玉の組み合わせのアンバランスさや、白、青、赤の3色の組み合わせが、ものすごく「ベタな感じ」を与え、本当は高級なはずなのにまったく高級感に欠ける、という印象。
首から下げる勲章だが、受章者がこいつを首から吊した姿は、情けなさいというか、そこはかとないマヌケさまで漂うのはどうしたものだろうか。
もうちょっと何とかならなかったものか・・・と思ってしまうのである。

というわけで、個人的には、日本の勲章のうちで最も評価が低い(=デザイン的に好きじゃない)のがこの文化勲章なのであった。
まあ仮に私が200歳まで生きても、もらえることはないから余計な心配は要らないのだけど。