徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

カナダ オンタリオ州華僑救国総会バッジ

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hillsidecnx さんのところで、1939年ベトナムの華僑救国総会製の蒋介石バッジを拝見しました。

それにちなんで、私も同種のバッジをご紹介。
「安省救国総会七七抗建五周年献金章」である。
一見すると中国とイギリス国旗の組み合わせに見えるが、書いてある内容からして中国とカナダ国旗であるはずだ。ごく小さいバッジなので、カナダ国旗を省略して描いたようだ。もちろん当時のカナダ国旗は現在のメイプルリーフ旗ではなく、ユニオンジャックをカントンに入れたレッドイングリッシュ旗(1965年変更になった)。

「安省」、というのはカナダのオンタリオ州の漢字略称、「七七」というのは日中戦争の発火点となった廬溝橋事件の日のことで、「抗建五周年」は抗戦建国5周年のことである。
つまり、このバッジが作られたのは、1937年7月7日に勃発した日中戦争の5周年記念として作られたものだから、1942年のこととなる。
5周年を記念して、祖国を応援するために華僑たちによる献金運動が行われたのだろう。

オンタリオ州には中国移民が多かったのか、「安省」と書かれた華僑バッジが何点か手元にある。
日中戦争時代、世界に散ったたくさんの華僑は、それぞれの国に根を下ろしながら、侵略軍と戦う祖国を経済的に、時に政治的にも支援したのだ。

この「献金章」は、どのくらい献金すればもらえるものだったのだろうかと、ちょっと気になる。