徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 北平郵区職員証章

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コレクターを自認する人は、「コレは何がなんでも手に入れねば!」という場面に、生きていれば必ず遭遇する。必ず、だ。

「何がなんでも」といっても程度は色々あるだろうし、そんな場面にしょっちゅう遭遇する人も、数年に一度しか出会わないという人もあるだろう。ま、これもコレクションの対象やレベル、コレクター自身の性格などによるのかもしれぬ。あと経済的裕福度とか。

一昔前は、海外からアイテムを購入する場合、送金をどうするかというのは大きな問題で、中味をくりぬいてドル札を仕込んだ書籍をなにくわぬ顔で郵送するというスパイモドキの方法もあったりして、コレクターもなかなか苦労が多いのであった。さらにその手法には深奥なるノウハウというかテクニックもあったりして興味深いのだが、そんな話を書いてるとコレクターの業の深さを身につまされるばかりなので説明は省く。
だが、なんとしても欲しい!という欲求は、どんな苦労もコレクターに顧みさせないほど強いもの、とコレクターでない人にも理解して欲しい(もっとも、私はせいぜい厚紙に挟んで封筒で送るくらいだったけど)。

まあスパイ大作戦な秘密めいた方法をとらなくても、海外への送金は、国際為替を使うのが一般的だろう。郵便局に行って、用紙に住所や金額や送金目的を書き、身分証明書(免許など)を見せて送るのだ。面倒な上に、国際為替というのはどういうわけか、相手に到着するまでやたら時間がかかる。困ったものだがしかたがない。
顧みればたった十数ドルを送るのになんでこんな苦労を、と思わずにはいられないが、そういう文句があれば最初からそんなもの買わなければいいのであって、誰も止めはしないのである。
最近はクレジットカード決済のシステムが普及し、このようなアナログな苦労が大幅に減ったのは実に慶賀すべきことだ。隔世の感があるといっていい。
だが利便性が向上した分、気をつけないとがんがんコレクター道に邁進してしまう危険は増大したわけで、節度と理性は不可欠なのだが、どんな世界に生きようと、節度と理性なしで人生を危険にさらさずに済む方法自体ちょっとあり得そうもないので、これはコレクター特有の問題ではない(と弁護しておく)。

さて、国際為替には手数料というものがかかり、以前は確か1,000円だった。それが、今はなんと2,500円もする。しばらく前、ずいぶん久しぶりに国際為替をアメリカに送ろうと思ったら、「手数料は2,500円です」と。オイオイ、おれの送金額より高いじゃねーか!
そして、これが私にとって初めて実感した郵政民営化の成果なのだった。なんてこった。サービスが向上して、当然諸料金も安くなるもんだとばかり、漠然と思っていたがとんでもない。
ああ、憎むべし郵政民営化法案。頑張れ平沼赳夫

・・・冗談みたいな前振りがものすごく長くなってしまったが、今日のバッジは10年も前に北京で買ってきた郵便職員バッジ。
北京の別名「北平」の名から、1928~1949年(但し日本占領時代を除く)のものと特定できる。
中央は「郵」の字を篆書体にデザインした郵便のシンボルマーク。今でも台湾ではこのマークは現役だ。
それと、緑色は郵便局のシンボルカラー。中国大陸ではこれを引き継ぎ、、郵便ポストも、回収車も、職員の制服や自転車も、みな緑色である。

それにしても、なんだかデザイン的にはいい加減っぽい感じもしなくもないが、黄、緑、青、白の七宝が美しい。鎖でブラブラ吊り下げるタイプの中国のバッジは、なんとも言えず好ましい。
状態も良く、私のお気に入りの一品。