さて、まだつづく台湾シリーズ。
以前台湾に旅行に行ったときのこと。古道具屋で店のオヤジと話していたとき、つい「これは民国時代のものか?」と言ってしまったことがある。
店を出るときになってやっと気がついた。あ、そうか、この国はまだ中華民国だし、今もずっと「民国時代」なんだと。
あの時、まだ公式には外蒙古(今のモンゴル国)の独立は認められておらず、中華民国の一部であり、中華民国の首都は南京であった。
中華人民共和国が台湾を同じ国と見なしているのもたいがいフィクションなのだが(だから中国の天気予報では台湾の天気もちゃんと教えてくれる)、台湾側のフィクションはさらにスケールがでかいのであった。
大陸にばかり行っている私には、民国時代とは辛亥革命から新中国成立まで、西暦1911~1949年までをさすのだが、台湾にとっては辛亥革命以来ずっと民国時代が続いている。
まあ、店のオヤジにとっては、この程度の外国人の勘違いなど気にも留めるほどのことはなかったと思うが。
建国70年は、中華民国70年、すなわち1981年のことである。梅花は中華民国のシンボル。バッジではあちこちにあしらわれている意匠である。