徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 中華民国国旗バッジ

イメージ 1

ニュースでもワールドカップをよく取り上げるので見てしまうのだが、オリンピックでもそうなんだけどこういう国際イベントで異常なほど大量に見かけるのが国旗だ。街が、巨大なスタジアムが、まさに国旗に埋め尽くされているではないか。
何でこういうアイテムが国のシンボルになるのだか、改めて考えると不思議になるくらいだ。

9.11テロ事件以降、ブッシュ大統領をはじめアメリカの政治家たちの胸に星条旗バッジが光るようになった。そう、バッジのテーマとして、国旗(あるいはシンボルの旗)は極めてメジャーなテーマなのである。
ことほどさように要の東西を問わず国の象徴として定着したアイテムが、旗である。

ところが、国旗は国境の変化や政治体制の交代に伴って、しばしば変わることがある。当然、中には短命で終わるものも多い。

で、今日のバッジはどの国の旗かというと、中華民国の国旗である。通称「五色旗」。
辛亥革命後、清朝に替わって1912年1月11日、南京臨時政府が正式に定めたのが、この五色旗であった。臨時大総統の孫文は革命結社「興中会」の旗であった青天白日旗を、軍事実力者である袁世凱は五色旗をそれぞれ推し、臨時参議院は五色旗を採択したという経緯がある。
五色は漢、満、蒙、ウイグルチベット五族協和精神を表す。

中華民国旗の「青天白日満地紅旗」が正式な中華民国国旗となるのは、1931年のことである。
つまり、中華民国旗としての五色旗は、20年の寿命を保った。

だが、どうも印象が薄い。中国に関心を持つ人の中でも、この旗が初期中華民国の国旗だと認識できる人は少ないのではないかと思う。以前、中国やアジアの歴史の好きな人の集りに出たとき、この旗がヨーロッパの旗だと思っている人がいて驚かされたことがある。

20年といったら、国旗の寿命としたら長いとはいえないので仕方ないかもしれない。だが、それよりも印象が薄い理由は、このデザインから来るインパクトのなさなのではないかと思う。

なんだか、どこかで見たような平凡さ。結局それが最大の原因ではないかと。
いかにも時代がかった清朝の「黄龍旗」から見れば、これでも十分斬新なのだけれど。