徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 愛国記念章(1947年)

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10月1日は中国の国慶節、10月10日は辛亥革命記念日ということで、10月は中華人民共和国中華民国建国記念日が集中している月である。
かつて、大陸と台湾の政治対立がもっと深刻だった頃には、祖国を遠く離れた日本の中華街(横浜や神戸など)では、どちらの日を祝うかによって、政治的立場を明らかにせざるを得ない時期もあったという。

というわけで、今日は10月10日。今から97年前、辛亥革命が勃発清朝打倒の革命政権が樹立し、翌年から中華民国元年が始まった。アジア初の共和主義国家がここに生まれた。

ところが、この国は不運なことにそのスタートから、国内的統一を欠き対外的圧力に耐えかね、強力な集権国家を目指しつつ、それを実現できないまま妥協と変則の運営を余儀なくされる。
難産の末生まれたこの国は、結局健全に生育できずに38年の苦難の歴史を終え、社会主義国中華人民共和国に取って代わられることとなった。
実に、私から見ると、哀れというほかない。もっとも、国民党も中国共産党も革命主義という点では変わりなく、その意味では兄と弟ともいうべき関係である。

さて、そんな今日、紹介するのはこの一枚。
愛国記念章 慶祝国慶」。裏面には「1947」とある。中国の国土と、両側のたいまつは、革命の烽火を表す。ここで、国土の真ん中に描かれた「サ」のような赤いマークが見えるが、これが10月10日(十・十)を表す。バッジに用いられている赤、白、青は中華民国国旗のナショナルカラーでもある。

日本との戦いに粘り勝ちした中華民国だが、すぐに国共内戦が始まる。このバッジはまさに内戦期のモノだが、この2年後には台湾へ逃げ込むことになるのである。