軍事独裁政権下で一握りの特権階級の土地の独占に不満を持つ国民との間で、70年代衝突が勃発する。ひたすら武力鎮圧で臨む独裁政権に対して反政府勢力が結成、内戦へと突入した。この反政府勢力がFMLN(ファラブンド・マルティ)民族解放戦線である。
ファラブンド・マルティとはエルサルバドル共産党の創始者で、1930年代に土地を独占する特権階級に対する農民反乱を指導し、戦死した反乱のシンボル的人物だそうである。
軍事独裁政権への国民の不満への高まりを背景に、FMLNは実効支配地区を固めていくが、これに危機感を抱いたのがアメリカのレーガン政権。内戦は膠着状態に陥り、1992年には政府とFMLNの間で和平協定が結ばれる。内戦時代、この九州の半分程度の国土しかない国で、数万人の犠牲者と、その数倍に及ぶ亡命者を出した。
左派武装組織連合であったFMLNは、以後合法的政党として活動を展開していく。2006年3月の選挙では、議席の3分の1を占めているという。
このバッジはおそらくFMLNの選挙キャンペーン用のバッジではないかと思われる。比較的最近の作である。