徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

コロンビア コロンビア共産党バッジ

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肖像の入ったバッジは、顔だけでしか判断できないので、文字情報がない未知の人物の場合、その特定はかなり困難だ。

では、こんなバッジはどうだろう?
今日の一枚は、国土らしいものと共産主義の槌鎌が描かれているバッジだ。そして、周囲は左側が歯車?、右側が麦穂、これも共産主義のシンボルである。
槌鎌の横に、「PC」の文字が見え、これはおそらく共産党の意味だろう。すると、コムニスタ・パルティードとかなんとか、ラテン語系と思われた。とすると、欧州、中南米あたりの可能性が高そうだ。
バッジの裏のツクリはソ連っぽいのだが、これでは判断はつきかねる。

さて・・・と考えながら、この地図がどこの国なのかと世界地図帳をめくると、すぐ判明した。南米コロンビア共和国である。
うーん、コロンビア共産党だったか!

さっそくコロンビア共産党についてネットで調べると、正式名称は「Partido Comunista Colombiano」というらしい。略してPCC。改めてバッジをよく見ると、鎌の部分、確かに「PCC」と読めるではないか。

コロンビアといえば麻薬マフィアと左翼ゲリラの国というイメージが強い。特に反政府武装組織コロンビア革命軍は有名で、麻薬密売や誘拐事件などでたまにニュースになったりするが、これがもともとはコロンビア共産党の軍事組織ともいわれ、政府軍を圧倒する力を見せたりもした。
もともとコロンビア共産党は、1930年結成の古い政党だが、アメリカの影響下、時の政権からはしばしば弾圧を受けてきた。それがこのような反政府組織を生み出した土台といえよう。もっとも、革命軍の方もやっていることはと見れば、本来の政治的革命組織というより、まるで大規模なマフィア組織であり、長い時間を経て問題がこじれまくっている感じである。

このバッジは、それほど古いものではなく、せいぜい70~80年代のものと推測している。珍しい、といえばある意味珍しいかも。