徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 大日本傷痍軍人会功労章

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戦争で生じた大量の負傷兵をどうするかというのは、国家にとってかなり重い課題でもある。戦死者は顕彰すれば足りるかもしれない。が、戦場から帰還した負傷兵は、その後の生活を営んで行かねばならない。そしてその負傷兵たちの中には、ひとりでは生活できないほど深刻な障害を負ったものも少なくなかった。
それを援助するのが、傷痍軍人会の大きな目的であった。

そういえば、これを書いていて今思いだしたが、子供の頃アコーディオンで軍歌を弾きながら物乞いをする軍服姿の「傷痍軍人」を見たことがあったが、それがなんなのかわからなかったものだ。彼らの姿を目にすることは、もはやない。
昭和も遠くなりつつある現在、傷痍軍人の数もどんどん減りつつあり、いつの日か消滅するのかもしれない。まあ遺族会ですら高齢化による衰退が著しいというから、当然でもあろう。

このバッジは、裏面に「大日本傷痍軍人会功労章」という文字があり、まあどういう功労かわからないが一般の会員章ではない。
おもしろいのはデザインで、白いクロスしたのは古代の日本の盾か。赤十字デザインからインスパイアされたものかもしれない。
そしてその中央に日章のシンボルと思わせる赤い丸。
なかなかおもしろいバッジだ。

大日本、とかいうからには終戦前の組織なのであろう。
現在は、財団法人日本傷痍軍人会という組織があるが、戦後の後継組織なのか。