もう忘れている人が多いと思うが、共産党との戦いに敗れ、台湾に逃れた国民党。
それでも中国の正統な支配権を主張して、武力反攻、統一中国をスローガンに、国連を追放され、世界中から次々と国交を断絶されながら、「まぼろし国」である「中華民国」は、それでも長々と共産党・大陸中国と戦いを繰り広げていったのであった。
単なる国土防衛という以上にあえて「武力反攻」と言い切ったのは、それを言わなければ、戦いをやめてしまえば、その瞬間に中国の正統な政権という立場が消失してしまうのであった。そのためにとり続けたファイティングポーズであったようにも見える。
思えば現代史の一大奇観と言えるかもしれない。
でもまあ、思えば中国大陸から切り離されたことは、のちのち台湾にとっては必ずしも不幸なことではなかったのではないかとも思う。
というわけで、このバッジは、友人からもらった台湾のおみやげ物みたいなものだが、孫文、蒋介石、蒋経国と続いた中華民国の歴代の指導者を描いていて、ここでも政権の正当性を訴えているように見える。
「統一中国」の文字が泣けるなあ。