バッジは権威を表わすアイテムでもあり、特に日本においては菊花紋型バッジは権威が高いと見なされている。だから議員バッジは前時代性の象徴などといわれながらもなかなか廃止にはならず、政治家を目指す者にとっても憧れのアイテムとなっている。
これが日本の徽章文化の特徴であることはすでに指摘したところだ。さらに、服から高く盛り上がっているのがいいらしい。
多くの日本人は無意識に、菊花紋バッジや高く盛り上がったバッジ、そしてそれを身に帯びている人に権威を感じるのである。
このバッジも、一見してあまりに偉そうなので目を惹きつけられた。金色の14弁の菊花紋(国会議員章は11弁)。中央には「観」の文字。
そしてなんといってもこの厚み。スキャナで取り込んだ画像ではわかりにくいかもしれないが、直径が20mmたらずなのに、本体の厚みは7mm以上あるのである。
一体このバッジの正体は・・・?
スクリューを外してみれば、「むつ市観光協会」の文字が見える。
観光協会がなぜこんなバッジを・・・?
あまり多くのサンプルを見ているわけでもないが、この手の組織はバッジに権威性を盛り込みたがる傾向が強いような気がする。例えば商工会議所や農業会議なんかもそう。
もちろんこういうタイプのバッジを作っちゃいけないという法はない。作るのは自由である。私もバッジデザインをするときがあったら、これでもか!というくらいのヤツを作ってみたいものである。