徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

フランス 北京オリンピック聖火ランナーの「より良い世界のために」バッジ

何度も書いて恐縮だが、だから言わんこっちゃない。
北京五輪は時期尚早だと、今やるのは中国のためにも却ってマイナスだと、ずっと思い続けてきた私は、この騒動を何とも虚しい気分で眺めている。

もっとも私の懸念は、五輪大会の運営上の問題に対するものだったのだが、大会なんて全然始まりもしないのに、前代未聞の騒動だ。ちょっと盛り上がりすぎである。

ロンドンとパリで、チベット問題について中国に批判的な団体・個人が、聖火リレーを妨害する騒動が多発。ロンドンでは、たびたび聖火リレーの列に活動家が乱入、さながら「障害物競走のよう」であったという。
何十人ものガードに囲まれた聖火ランナーは、ほとんどどこにいるのか分からないくらいだ。本来ならお祭り気分を盛り上げ、歓声と拍手に送られるはずの聖火ランナーが、ブーイングと怒号、十重二十重の警備に囲まれながら進んでいく。想像以上にすごい光景が展開している。

舞台がパリに移っても、抗議行動は相変わらず、ランナーがバスに避難したりコースを変更したり、いやもう警備当局の苦労がしのばれる。これでまだリレーは始まったばかりなのだから気が遠くなる。日本にも聖火は来るらしいが、大丈夫だろうね?
ああ、しかもそのあとにはいよいよ、世界中の人が集まって、肝心の本番が待っているのである。ますます気が遠くなる思いである。

さて、そんな中、アトランタシドニー両五輪の柔道金メダリストで、パリでの聖火ランナー第1走者をつとめるダビド・ドゥイエ選手がバッジを公表した、というニュースがあった。
この人、2000年のシドニー五輪で、日本の篠原選手と決勝で対戦、誤審により金メダルを獲得したというので日本では有名な柔道選手である(本人に責任はないのだが)。
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(バッジを披露するドゥイエ選手。どうでもよいが、さすがにガタイが良い)

バッジには、「より良い世界のために フランス」と書かれている。
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アップになった画像を見ると、バッジはやや大きめで、直径5~6cmというところか。いわゆる缶バッジ式のバッジである。
「より良い世界のために」というスローガンは、あまりに抽象的だが、本気で対立しようとするわけではないという姿勢も見て取れる。五輪がなくなったら、誰よりも困るのは選手なのである。だからこその、誰にも文句を言われる筋合いのない平和スローガンである。

北京五輪の開会式でもつけることを検討するという話も出ているようだが、それはそれで悶着の種になりそうで、ますます心配な8月8日である。
それにしても、今までマイナー中のマイナーな旗と思っていたチベット旗をこうもたくさん連日テレビで見ようとは思わなかったね。