徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 「抗日救国」バッジ

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5月12日に発生した四川大地震から、もう10日あまりが過ぎた
この間、この震災は日本のメディアでも連日トップニュースとして大きく報道されてきたところである。
発生から5日目には、各国に先駆けて日本の救助隊が現地での活動を開始。
生存者の救出には至らなかったものの、意外なほど、中国各地から日本に対する感謝の声が相次いだ。中国メディアも日本救助隊の活動や、日本企業からの災害援助金の拠出を大きく報じ、対日好感度アップに貢献した。

いや少なくとも、ここまでの反応は、私は意外でしたね。
まあ、私は中国人の知人・友人をいろいろ持っているので、中国人の対日感情が好転するのは素直にうれしい。今医療チームが被災者の治療に当たっているが、ぜひ多くの人を助けてあげてほしいとも思う。
両国の政治的思惑や駆け引きもあろうし、それが必ずしも善意だけで成り立っているとも思わないが、それでも被災者にとっては、国際的援助はかけがえのない救いの手になるはずだ。

だが、どうもね・・・とも思う。ここまで感謝の声が満ちると、逆に「なんだか危ない」という気分になるというもの。
今回の災害が対日感情を良くするキッカケにはなってほしいと思う。一部の中国人が考えるほど、少なくとも平均的日本人は、軍国主義者でも侵略主義者でもない。日本人だって、隣国で大災害が起これば、ザマアミロと嘲るより、ひどい目にあって可哀想にと自然に同情する人の方が圧倒的に多いことを分かってほしいとも思う。当たり前の普通の姿を分かってもらえばそれでいい。
だが、この急激な感謝感激の嵐が、また簡単に逆方向に振れるのではないかということを、どうしても危惧せざるを得ない。わかるでしょう、この気持ち。
なんだか両極端を行ったり来たりしている感じがしてならない。もっとフツーの状態で落ち着いてくれないものだろうかと。


まあそんなことを考える今日この頃、抗日戦争(日中戦争)時代のバッジでも紹介するか。私自身が逆に振り子を振ってどーすんだという気もするが(笑)。

抗日救国 民族光栄」と書かれたバッジである。中華民国の白日章と国際主義の地球儀が描かれている。ちょっと状態が悪いのが残念。状態が良ければ、七宝製バッジの魅力が伝わるなかなかの良品であるはずである。

こういう中国のスローガンバッジは、中国語などまったく解さなくても、日本人ならまず100%ストレートに誤解なく理解できるところがありがたいところだ。漢字の共通性のおかげで、日本人には、中国バッジの魅力は伝わりやすいのである。単に書いてある意味が理解できるというだけとは違う気がするのだが、どうだろう。

それはさておき、おそらく1940年前後の作と思われるスローガンバッジ。裏面には刻印もなく、どこで作られたモノかは不明。ピンがなく、鎖またはリボンで吊すタイプのモノだ。

抗日戦争時代のバッジはこれまでもいくつか紹介してきたので、関心のあるムキはご覧いただきたい。
抗日戦争記念バッジ
抗日救国バッジ
軍事博物館における抗日戦争関連バッジ展示
抗戦建国バッジ
「誓死抗日」陸軍砲兵学校卒業徽章