徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

番外編 ~骨董好きの人々のことなど~

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(中国・北京の骨董市。本文とは関係ありません、少なくとも直接には。)

今日は番外編です。

この間、新書本「休日は、骨董」(細谷隆男著、祥伝社新書)という本を読んだ。

私のように、大した金銭的価値もなく、つまらないバッジを買いあさるのに、骨董市は欠かせない場である。わざわざ出かけていって無収穫だと何とも言えぬ徒労感を覚えたりもするが、宝探しのようでおもしろいし、意外な発見があるかもと思うとワクワクする。

実際、バッジを専門に集めている人というのは、私はほとんど今まで出会ったことがない。コレクションの一部としてバッジを集めている人はいても(例えばミリタリーマニアが軍関係徽章を集めていたりするケースだ)、バッジそれ自体を対象にする人はかなり珍しいと思う。
古い雑多なモノが売り物となっている骨董市は、その点得難い場所である。

そんなわけで、骨董市について書かれたこの本が気になって読んでみたのだが、まず基本的にはおもしろかったし、参考になる部分もあったので、読んだ価値はあったことは認める。

が、その一方、どうしても共感できない部分や納得できない部分も多かったのだな。
細かいことをいえばキリがないが、基本的なベースとして、私が骨董市に出ている業者などと交流するのがキライだ、ということに尽きるかもしれない。

この本の著者は、古いモノが若い頃から好きで業者にもなった人だが(多くの業者がそうだろうが)、「客や業者との交流が楽しい」などと書かれると、私としてはもうダメである。
私にとってはそんなこと、ちっとも楽しくなどないからだ。

ハッキリ言うが、これは以前にも書いたことだが、私はほとんどのこの業界の業者が嫌いである
不快なヤツが多いからだ(もちろん例外がいないとは言わない)。
この本にも、客も骨董市でマナーを守るようにしましょう、それがいい人間関係を作ってくれますよ、そうすれば結果としては徳をすることになるんですよ、と書かれてあって、それはまったくその通りである。すべての人間社会に通じる共通原則である。異論を挟む余地はない。

しかし、骨董市に通う一人のしがない客である私は、いかにマナーから外れた不快な業者が多いことをしばしば見聞させられている
もっとも客にもイヤな感じのもけっこういるので、相互作用ということなのかも知れない。
つまり、この業界の本質自体がそのようなものなのじゃないかと思わざるを得ない。いやだいやだ。

もうひとつ、この本についてどうしても納得いかないことがあって、それは「プロが贋作を買った場合、素人には売らないというのがルールですが、プロに売ることはまったくかまいません。プロは専門家なのですべて自己責任です。」というもの。

一体、それはどこの世界の「ルール」なのかといいたい。なにも知らない素人が、いかに業者にひどい目に遭わされているか、この世界の住人である著者は知らないとでも? だとしたら、それこそプロじゃあない。美化するのもほどほどに。

まあ、そんなにこの業界がイヤなら、骨董市など行かなきゃいいだろう、というのもまた正論。
でもまあ人はイヤでもモノ自体が好きだから行くんだけど、なんだかんだいって結局は同じ穴のムジナだったりして。あはは。