徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 北京オリンピックのメダル(金・銀・銅)

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連日熱戦が続く北京オリンピック。オリンピックは各競技のメダル争奪戦なわけだが、表彰式ではさすがにデザインの細部まではよくわからない。

せっかくなので、ネットで検索してみることに。
JOCのサイトに、今開催中の北京オリンピックメダルが掲載されている。
今年3月に発表されたものだが、ふむふむ、こうなっているのか。

今回オリンピックのメダルとして初めて、翡翠(ひすい)が使われた。中国古代の模様から着想を得て龍が刻まれたメダルは、「高貴」「美徳」を象徴し、中国の伝統的な価値観である「道徳」「名誉」を形にし、中国らしさを表現している。

金メダルは1つあたり6グラム以上の金を使用し、銀メダルは純銀製。メダルの表面には、パナシナイコ・スタジアムに飾られたギリシャ勝利の女神ニケが浮き彫りにされ、反対側の中央には、北京オリピックのマークが刻まれた翡翠が埋め込んである。そして留め金のデザインは、2匹の龍の模様が施されている。」(JOCサイトによる)

というわけで、「これ、どっちが表なんですかね?」と言っていた日本人メダリストがいたが、女神ニケが描かれている方が表、翡翠が入っている方が裏だ。
まあ翡翠といっても質はピンキリで、透明感があって緑色が鮮やかなものは驚くほど高価だが、そうでないものは、ハッキリ言って捨て値である。
画像を見る限り、石としてはあまり価値はなさそうな感じがする。何百個も製作するものだから、そこまでコストはかけられるはずもなく、それは当然だとは思うけど。

全体にギリシア風デザインと中華風デザインを組み合わせたような感じで、マッチしているのかいないのかよくわからない感じだが、まあオリンピックメダルというのはこんなものだ。ギリシア彫刻風デザインのメダルに、どうやって中国の伝統性を盛り込むか苦労した痕跡を感じることができる。
赤いリボンの部分もよく見ると地模様に雲が描かれていて、これも瑞雲を表しているのだろうか。

わざわざ翡翠なんか使って中華風にこだわりすぎだ、と批判的に見るムキもありそうだが、長野オリンピックのメダルは漆を使った蒔絵という和風趣味で、どの国もまあ考えることは同じ、という感じだ。

だが、小文字のjapanが漆なら、chinaは磁器である。当ブログでも多数紹介しているように、中国には陶磁器製のバッジは数多く作られているのだから、メダルに使ってもなんの不思議もないだろう。
個人的には、磁器片をはめ込んだメダルってのも中国らしくてよかったんじゃないかという気もする。おそらくそういう案もあったはずだと思うのだが。翡翠の方がアリガタミがあると判断されたのかな。

まあメダリストにとってはデザインがダサかろうが材質が悪かろうが、それは努力の結晶に他ならず、どんな宝石よりも輝いては見えるのだろうが。