徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 大正大礼記念章(大正4年)

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平成の時代になって早くも20年が経過し、初めは何となく違和感のあったこの元号にもすっかりなじんでしまった今日この頃。昭和天皇崩御の報を聞いた20年前のことを、先日のテレビニュースを見ていて思い出した。

というわけで、今日は大正の大礼記念章(大正4年)を紹介しよう。大正4年11月、今から93年前に行われた大イベントの記念品である。

たまたま私の手元に朝日新聞社刊「御大礼記録」(大正5年)という大正大礼の分厚い本があるのだが、式典のための準備、組織、スケジュール、各地の祝賀行事などが細かく記されていて、とてもおもしろい。例えば行幸行列の順番、晩餐会のメニュー、演奏された曲目などなど。
この大正の大礼、とにかくすごい一大国家イベントであった、ということがよくわかる。このための国家予算は約393万円。もちろん当時のことだから大金だ。
(もっとも、昭和大礼はもっとスゴイことになるのだが・・・)

このメダルは勅令で定められており、「大正4年勅令第154号(大礼記念章制定ノ件)大正4年8月12日勅令第154号)」である。

内容は次のとおりで、デザイン、授与対象者、使用規定などが定められている。

第1条  大礼記念ノ表章トシテ記念章ヲ設ク

第2条  記念章ノ図式左ノ如シ
   章 銀円形径1寸輪廓内表面上部ニ金菊御紋、両側縁ニ桜橘枝ト万歳旛交架ノ図、裏面ニ大礼記念章大正4年11月ノ文字ヲ識ス
環 銀彎形
綬 織地幅1寸2分、中央紅色、両縁白色紅線
  記念章ハ綬ヲ以テ左肋ニ佩フ

第3条  記念章ハ左ニ掲クル者ニ之ヲ授与ス
(1)  践祚ノ式ニ召サレタル者
(2)  即位礼及大嘗祭ノ式ニ召サレタル者
(3)  各所在地ニ於テ饗饌ヲ賜リタル者
(4)  大礼ノ事務及大礼ニ伴フ要務ニ関与シタル者

第4条  記念章ハ本人ニ限リ終身之ヲ佩用シ子孫ヲシテ之ヲ保存セシム

第5条  記念章ヲ授与セラルヘキ者其ノ授与前死亡シタルトキハ之ヲ其ノ家督相続人又ハ戸主ニ交付シテ保存セシム
 」

大量に作られたもので、決して珍しいものではなく、あんまり個人的には魅力を感じないが、どうせ安いしサンプルとしてひとつ持っていてもいいかなーと購入したもの。
もちろん、同様のメダルが昭和大礼の時にも作られたが、平成大礼の時にはたぶん作られなかったのだろうなあ。無駄はなくなったのかもしれないけど、ある意味つまらない時代になったものだ、とちょっと感じる。