徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 大正大礼記念章(大正4年)

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令和が幕を開けた。
平成の30年、思えばいろいろあったね。事件も災害もたくさんあった。しかし、近代日本始まって以来、初めて戦争のなかった時代でもあった。亡くなった私の祖父は、自分の生きた時代を振り返っては、「今がどんな時代だろうと、我々の時代ほどめちゃくちゃな時代はなかった」と語っていた。
令和がどんな時代になるか、5年10年先も見通せない現代人にとって全く不明でしかないが、良い時代になってほしいと心から思う。

当ブログでは、これまで5月1日はメーデーバッジを決まって紹介してきた。ま、今日はこの歴史的な一日をこの一枚でスタートさせよう。

画像のメダルは、「大正大礼記念章」。
あ、一応念を押しておこう。今日5月1日に新天皇が即位するが、一連の行事で最大の「即位礼正殿の儀」は10月である。
なお、大正は大正4年、昭和は昭和3年、平成は平成2年に行われた。そして令和は元年。だんだん準備期間が短くなっている。時代の変化ということだろうか。

さて、大正大礼の記念章である。
勅令第154号第2条によってそのデザインが決まっている。
「記念章の図式左ノ如シ

章 銀円形径一寸輪郭内表面上部ニ金菊御紋、両側縁ニ桜橘枝ト万歳旛交架ノ図、裏面ニ大礼記念章大正四年十一月ノ文字ヲ識ス

環 銀彎形
綬 織地幅一寸二分、中央紅色、両縁白色紅線」

同勅令第3条では、授与対象者が定められている。

一 践祚ノ式ニ召サレタル者
二 即位礼及大嘗祭ノ式ニ召サレタル者
三 各所在地ニ於テ饗饌ヲ賜リタル者
四 大礼ノ事務及大礼ニ伴フ要務ニ関与シタル者」

どのくらい発行されたのかというと、手元の資料によればざっと45,000個以上。相当作られたので今も現存数は多く希少度は低い。
デザインは、安定感があり、改めて見ても出来は良い。銀製、銀使用量は19gらしい。

礼記念章は、この後昭和大礼でも作成され、事実上国が発行する大礼記念章はこの2種のみである。
明治大礼記念章は存在せず、平成においても製作されることはなかった。

令和もその後も、もう記念章は二度と作られることはないであろう。