徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 蒋介石バッジ

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いつものことながら、ブログのネタには悩むワタシ・・・

ひとつ、またひとつと長年集めてきた蒋介石バッジが、気がつくとけっこうな数になっている。しょうがないので、ひとつこれでも紹介するかぁ。

蒋介石バッジは、いろんな種類があってすでにいくつかこのブログでも取り上げたことがあるが、これは比較的目にするタイプ。いわゆるカンバッジ式のバッジ。このバッジはおそらく日中戦争のものであろう。この時代、大陸では様々な蒋介石バッジが作成されている。

「蒋委員長肖像」の委員長という肩書きは、軍事委員会のそれである。
無帽軍服姿の肖像に、両側を取り囲む麦穂飾りが中国的な雰囲気を醸し出す。
カンバッジ式バッジは、古くなると表面を覆う透明フィルムが劣化してヒビが入ったり、肖像部の写真にサビが浮き出たりと、なかなか保存が難しい。このバッジも少しシミが浮き出ているが、これはかなりきれいな部類にはいる。

ただでさえ中国の古いバッジは保存状態の悪いものが多い。これは日本のバッジなどと比べると差が歴然だ。日本では、明治前半の作で100年以上前の作でも、そうとはとても思えないほどきれいなモノは珍しくないのだが、中国のモノはそうはいかない。
何でなのかなあと考えるのだが、自然環境の差よりも、やはり中国は社会の動乱の程度が日本以上に激しかったからなのだろう。
家の中に箱にしまわれて静かに貯蔵されている限り、バッジはいつまでも安泰である。
が、人が安定的に住むことのできなかったり、良好な住居環境でなかったりすると、モノはあちこちに動かされている間に、傷つきサビつくことになる。社会的環境が、バッジに平穏な時間を与えなかったのだ。
中国の骨董市場でバッジ探しをしていると、七宝もメッキも完全に落ち、ボロボロにさびて傷つきまくったバッジを大量に見る。私は基本的に状態の良いモノしか買わないが、そういうのはなかなかない。

ああ、バッジも人も、この国では大変な時代を経てきたのだなあと思ってしまう。