徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 文革期毛沢東バッジ ~紅色娘子軍~

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北京在住の友人が、3月8日の婦女節に公演された革命バレー劇「紅色娘子軍(中央バレー団)を見に行ってきたというメールがあった。
中国では、21世紀の現在もこういう出し物が見られるのか・・・と私などは感慨深いが、逆に今の時代にあっては新鮮かも知れない。

えー、紅色娘子軍と聞いて、すぐに呉清華!洪常青!南覇天!と名前が出てくる人は日本では少数派なのであって、一応説明しておくと、これは文化大革命中に一世を風靡した革命的バレー劇である。いわゆる八大様板戯(革命模範劇)のひとつ。
劇の舞台は海南島。貧農の娘、呉清華は、共産党員の洪常青(若くて凛々しい正義漢)と出会って階級的自覚に目覚め、悪徳地主の南覇天を打倒する・・・というお話。
1960年には有名な映画監督、謝晋が制作したこともある。この映画、私もビデオで見たことあるのだが、洪常青が敵に捕まって処刑されるシーンで流れる勇壮な「インターナショナル」が印象的であった。

文革中には「紅色娘子軍」は京劇版も作られているのだが、なんと言ってもバレー劇版が一番有名だ。
貧困と地主の虐待に苦しむ女性主人公が、共産党員の指導の下、成長していく姿は、まあ三八婦女節にはふさわしい・・・のだろう。

八大様板戯の中には、この他にも女性が主人公のものがいくつかあり、「白毛女」(バレー)、「紅灯記」(京劇)などがそうである。

さて、初めてこのバレー劇を見たらしい友人の感想。
「想像以上に良かった!・・・感動のあまり会場でDVDまで買ってしまった。すごく元気になりました。生オーケストラもよかった!」
だそうで。ただし、
「1幕目はすごく芸術性が高かったのに、2幕目以降、突然共産党ぽくなりました。オドロキ。」
これ、とてもよくわかる(笑)。後半は、主人公が階級的自覚に目覚めていくのである。

余談が過ぎた。
今日のバッジは、文化大革命中の毛沢東バッジ、模範劇シリーズの中の紅色娘子軍である。
毛沢東肖像の下に、労農紅軍旗や銃を持って踊る姿が描かれ、その背景には南国らしくヤシの木が見える。
出来はあんまり良くないのだが、まあこの辺はお約束のシンボルである。

私も生公演は見たことがないのだが、いつか機会があったら見たいものだなあ。