徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

日本 日本女子大学バッジ

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さすがの私もこの年度末は忙しく、ブログの更新もしばらく怠ってしまったが、今日からいよいよ新年度。実は今日から新しい部署に移ったので、またあわただしい春一日を満喫していたところだ。
ああ、毎年のことながらバタバタと、まるでジェットコースターに乗ったかのように新年度がスタートし、過ぎ去っていくのである。

桜の開花は今年も早かったが、開花後の低温で一向に開花状況は進行していないようだ。普通は開花はじめから1週間もすれば満開になるのに。おかげで今年は長い間桜が楽しめる、といえるかもしれないが。
この時期は学校の入学式の時期でもあり、桜といえば入学式を連想する日本人も多い。そのせいかどうか、桜のデザインを校章に用いる学校は非常に多いように見える。

今日紹介する一枚もまさにそれで、日本女子大学の校章である。戦前のものと思われる古いツクリの純銀製バッジだが、現在もこのデザインはまったく変わっていない。
調べてみたら、日本女子大学の同窓会は「桜楓会」といい、この大学はサクラとカエデがシンボルになっている。よく見ると、確かに全体のデザインはサクラの花びらとカエデの葉が交互になっている。

日本女子大学は、女子教育のための市立大学として1901年に創設された。
で、この校章デザインだが、サクラとカエデはともかく、中央のマークは、何がデザインされたものか調べてみて初めて知った。

大学の公式サイトによると
「1934年(昭和9年)、33回生趣味係が率先して制作したことにさかのぼります。
 桜と楓で囲んだ中心に創立者の帰一の精神である
○ は神(Denity)
+ は本体(Self-Identity)
□ は人間性(Humanity)
△ は三位一体(Trinity)
卍 は宇宙の本体を表しています。

また、正・止・歩の文字は動・静・進歩を意味し、すべてを包含したシンボルです。まわりの桜楓は春秋の美しさを象徴し、春の生成、秋の収穫をも意味します。」
なのだそうだ。

これにはちょっと驚いた。この真ん中のマークの意味は、「○・+・□・△・卍・正・止・歩」だというのだ。こんなにたくさん意味を詰め込みすぎたシンボルも珍しいのではないか(というか、意味の方はアトヅケっぽい気もするが・・・)。

昭和9年作成というだけあって、新しく作られた校章とはまったく違った雰囲気を持っている。一言で言えば、女子大学らしくない剛健な雰囲気、というか。
それにしても、この校章を制作した「趣味係」ってなんだろう?