徽章はバッジにしてピン

世界の徽章文化を考察するブログ。というか、バッジが大好き。コレクションを紹介したり、バッジに関する情報を考察したり。実用性皆無、実生活への寄与度ゼロ保障のブログです。

中国 建国60周年を迎える北京にて(その4) 毛主席記念堂みやげ

これでこのシリーズは今回でとりあえず終わりにしよう・・・

広大な天安門広場の南の方には、毛主席記念堂という建物がある。毛沢東の亡骸を安置し、公開しているところとして有名だ。
指導者の遺体を永久保存し公開するという珍妙な政治的風習は、もちろんソ連レーニンにならったものだが、どういうわけだか共産主義国家に広く定着した。ロシアの場合、政治体制の変化と国民の意識変化に伴ってか、レーニンもそろそろ埋葬したほうがよいのではないかという意見も多いようだが、中国ではそういう意見はほとんどないようで、毎日全国から人民が毛沢東参拝に訪れているのが現状だ。
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建物の北側で警備に当たる解放軍兵士。参拝者は、北側から入り南側から出ることになる。

私はもう何度も訪れているので今回はパスしたが、同行者がぜひ行ってみたいということで、自由行動時間にひとりで行ってきた。話を聞く限り、状況は以前とまったく同じようである。
こういうところを見学するとやっぱりそういう気分になるのか、同行者は記念堂内の土産物売り場で毛沢東グッズを買ってきた。やっぱり御本尊効果は大きいなあ。

何を買ったかというと、バッジだった(注:私が頼んで買ってもらったのではない)。
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きれいに印刷されたジュエリーケースに収まった銀の毛沢東バッジである。バッジの裏面にも「毛主席記念堂」の刻印がある。

毛沢東バッジといえば、文化大革命中に作られた赤や金のハデなバッジが思い浮かぶが、実は今でも土産物としてはメジャーな存在である。中国を歩いていると、たまにだが襟に毛バッジをつけている人を見かけることがある。
文化大革命終結後、その悲惨な体験から、毛沢東バッジの人気は一気に低下し、膨大な数のバッジが鋳つぶされたという。20世紀末も近くなると、今度は毛沢東は無害なお守り的存在へと昇華していった感がある。
毛沢東思想は、もはや現在の中国では完全に無用の存在となった。かつて強力なカリスマを発揮した指導者は、いまやお守りグッズとして存在感を発揮している。
時代はどうなるか分からぬものだ。

この画像のバッジは、それら土産物の中ではけっこう出来が良いというか、丁寧なツクリである。中にはけっこう粗悪品も多く、問題視されることもあるらしい。

【既出の関連項目】
毛主席記念堂建設記念バッジ