1960年代後半の中国、
文化大革命の時代に毛沢東バッジが大流行し、多様なバッジが登場したことは、このブログでも何度も触れてきたところである。
今回もそのひとつを紹介しよう。毛バッジは毛バッジでも、ちょっとした変わりダネである。
画像を見れば一目瞭然と思うが、見る角度によって見える文字がかわるオモチャなどを見たことがあると思うが、要はアレである。毛バッジコレクターの間では、このバッジは「変字章」などと呼ばれている。
このバッジでは、少しずつ傾けていくと、文字が
「毛主席万歳」 → 「共産党万歳」 → 「☆」
・・・と変化する。
実は、珍品というほど珍しいタイプではないが、さすがに初めて見たときは驚いた。こんなオモシロ
毛沢東バッジがあるのかと。
文革期毛バッジの奥の深さを思い知った気がした。
なお、この他の変字章には、「老三編」(
毛沢東著作)のタイトル(「
為人民服務」→「
愚公移山」→「記念白求恩」)などもある。
バッジ制作者のアイディアというか、遊び心あふれる一品といえよう。
イデオロギーも政治運動も、モノづくりの側にとってはひとつの素材に過ぎないのではないか・・・という思いすらしたものだ。そういう人間の本性こそ、実に祝福すべきものである。